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生意気生徒会長 7

「お待たせしまし・・・きゃああああっ!」


戻ってきた飛島さんが、裸で抱き合っている僕たちを見て悲鳴を上げる。


「ちょっとごめんね」


会長が僕をテーブルに寝かせ、そのままの姿で飛島さんのところへ行った。

・・・上半身、裸のままで。


「ありがとう。桜ちゃん」


「こ、こここ、これ、タオルとお薬と、お薬を飲むためのお水です!」

「うん。どーもね」

「お、なんだ隼人、新手のセクハラか」

「おかえり、タケ」

「ほらよ。頼まれたもんと財布」

「サンキュ。で、悪いんだけど・・・」

「わかってる。貸せよ制服。飛島と干してくるから」

「悪いね」


会長は俺のズボンを脱がし、濡れたシャツやブレザーと一緒に武山さんと飛島さんに渡す。

そして部屋の鍵を閉めて、戻ってきた。


「・・・すみません」

「動かなくていいよ。臣ちゃんはされるがままになってて。痛かったら言ってね」

「で、でも」


抵抗しようとしたけど、それよりも会長の手の動きの方が早かった。

僕のパンツと靴下を脱がせて、新しいものとジャージを履かせる。


「ちょっと起こすよ」


背中と首の後ろに手を入れられて、ゆっくりと起こされる。

シャツとジャージの上を着させられ、また横倒された。

まるで、介護されているみたいだった。


その後先輩もタオルで身体を拭き、

制服を着なおしていた。


「・・・会長」

「んー?」

「ありがとう、ございます」

「んー」


会長は持っているタオルで、俺の頭をわしゃわしゃと拭いた。

そして笑顔で言う。


「しばらくしたら、帰ろっか」



その笑顔が眩しくて、胸が苦しくなる。


きっと言いたいことは山ほどあるはずだ。

叱りたいことはたくさんあるはずだ。


なのに会長は、笑って許してくれている。



ああ、だからこの人は、

会長・・・なんだろうな。



ようやく謎が解けて、嬉しくて、

しばらくの間、目を閉じる。



「あ、そうだ」


会長が何かを思い出したように声を上げる。

そして遠くでごそごそと音がする。



「臣ちゃん、少しの間、口開けてて」

「あ・・・はい」



言われるがままに、口を開ける。


実は飛島さんが体温計を持ってきてくれていて、

体温を計るのだろうか。


予想しながら口を開けていると、

温かくて柔らかいもので、ふさがれた。

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