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A Desirer  作者: 氷山 祐希
1章 新学期といとこ
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五話 閑話 暁の思い

「はい、それじゃ出来たルールのおさらいな。あきらもこの家庭内ルールで問題ないよな? なにかあったらその都度変えていくけど、今のところはこんな感じで

「大丈夫です! ...でもこのルールだと佑介くんの負担が大きくありませんか? 大丈夫ですか?」


とりあえずこんな感じに決まった


    【家庭内ルール】


1.お互いの部屋には無断で入らないこと。入る時もノックと声をかけること

2.家事の分担はきちんと守ること。事情があってできないときは必ず連絡すること

3.料理、片づけは佑介が、洗濯はあきらが行うこと

4.洗濯物はそれぞれのかごに分けて入れること

5.お金(生活費)の管理は佑介が行う


大きくまとめてこの5つだ


まず一つ目は当然だ

たとえいとこでも男女、異性なのだから無断で入ってはいけない

最初はあきらの部屋に俺が入るのは禁止にしてたんだが、「私だけ佑介くんの部屋に自由に出入りできるなんて不公平です! ...でも絶対に部屋に入らないわけにもいきませんし、佑介くんも私の部屋に自由に入ってください!」とか言い出した

結局ここに落ち着くまでに少し時間がかかった。お互い譲らなかったが、俺が折れた形だ


二つ目も共同生活をするわけなんだから必要

むしろこれがなかったら成り立たない


三つ目の料理だが、これはあきらに料理経験を聞いたところ「えぇっと....包丁は持ったことないです!」という意外性バツグンな返答をされたからだ。見た目は料理できそうなのに

ちなみに俺は両親と一人暮らしをする条件として「家事、炊事、料理を完璧にこなせること」という条件を出されたので大丈夫だ! 親を納得させるくらいの料理は作れるぞ!

洗濯も本当は各自分担しようとしたんだけど「これくらいはやらせてください!」と張り切っていたので任せることにした


四つ目はお互いの洗濯物が混ざらないようにするためだ

あきらは何故こんなこと? って顔してたけど俺が譲らなかった

理性を保つためだ! ピッチピチの思春期なんだぞ! 同年代の女の子と...そんな...色々あってちょっと無理だ


五つ目はあきらからの提案だ

これも各自管理でいいような気もしたんだけど「今日から私の生活費も佑介くんの口座に振り込まれるので管理をお願いしました。食事を作るのは佑介くんですからその方がやりくりもしやすいですよね?」と

効率をド正論だったのでそれを通した。そういう考えは嫌いじゃない


そんなこんなで決まったころには午後6時

そろそろお腹も減ってきたな

あ! 買い物行ってないから冷蔵庫の中なんもないじゃん! 昨日家具買ったあと買いに行けばよかったかな


「あきら。飯食いに行こうか。今日振り込まれた生活費も見ておきたいし、冷蔵庫の中はなにもないんだよ。明日の買い物もしておきたいから、近くのファミレスでいい?」

「はい! 生活費は佑介くんの口座にもう振り込まれていると思いますので、行きましょう!」

「よし! じゃあ準備して。腹減ったからすぐ行こう!」

「はい!」






##########






「美味しかったですね! また行きましょうね、佑介くん!」

「あぁ、まぁ明日からは自炊しないと貯金がなくなるからほどほどにな。あ、スーパーはこっちだ」

「はい。明日からは佑介くんの作ったご飯が食べれるんですね! 楽しみです!」

「そんな手の込んだもんは作らないけどな」


ファミレスからの帰り道、あきらとはそんな話をした

明日から食事当番か...初日くらいは早起きしておかないとな


「明日は始業式だからいらないけど、お昼ごはんはどうする? 学食で食べる? 弁当がいいなら一緒に作るけど」

「お弁当まで作ってくれるんですか!? ありがとうございます! とっても嬉しいです!」

「わかった。なら明日の帰りに弁当箱を一緒に買いに行こうか。俺も明日買う予定だったから」

「はい! 行きましょう! えへへー、ゆーすけくんとお買い物ー♪」


本当に同い年なのだろうか...なんというか、無邪気で可愛い

...俺に子供が生まれたらこんな感じなのかな






##########






【あきら視点】


それは一目惚れでした


私はお父さんに「日本の高校に入るなら日本で1人で暮らさなきゃいけないよ? (あきら)には早いんじゃないかな。包丁も握ったことないし」って言われた時はただごねる(・・・)ことしかできなかったです

でも頑張って説得して「わかったよ。暁の伯父さんと相談していとこ(・・・)の男の子と一緒に住むなら許そう。三宅 佑介くんといって暁と同い年なんだ。ほら、写真」と佑介くんの顔写真を見せられた時、私は佑介くんのことを好きになりました

整った顔立ちですし、優しそうな人で安心できます


わかったと、二つ返事で即答しました






##########






佑介くんのご両親に挨拶も済ませて明日は入学式です!

言われた通りに佑介くんに挨拶しないと! 第一印象が大事です!


でも...佑介くんがホントは怖い人だったらどうしよう

急に押しかけて怒鳴られたりしたら嫌だなぁ...

一目惚れなんてこっちが勝手に言ってるだけです


よく考えていなかったけど、今の私ってとっても迷惑じゃないですか?

う~、よく眠れないです...!






##########






入学式の会場の体育館に着きました

なんと佑介くんの席はお隣です! 名前順に縦から座っているけど、お隣なんてどうしよう!

それに...たぶん教室でもこの席順だよね? 怖い人だったらどうしよう?

と、とりあえず始まる前に挨拶しないと!


「あ、あの...! 初めまして、三宅 佑介くんですよね? 私は西森 暁といいます」

「あ? あぁ、うん。よろしく」

「は、はい! あの...それで、明日から佑介くんの家で住まわせてもらうことになっているんですけど、明日の朝に行きますね」


ばか! ばかばかばか! 急にそんなこと言ったらパニックになるにきまってるのに!

絶対「何言ってんのこいつ」って思われた!


「へー、そう。うん」


あれ? なんで驚かないんでしょう?

あ、そっか! ご両親から聞いてたんだ!

よく考えたらこんな大事なこと本人に言ってないわけがないです!


でも返事がそっけないし、自己紹介もしてくれませんでした

...やっぱりお邪魔なんでしょうか?

だって嫌に決まってますよね。事前に聞いてても急に一緒に住むなんて

私だって急に「男の子と一緒に暮らせ」って一方的に言われたらすごく嫌な気分になります


...明日行って怒られたりしないかなぁ







西森さんがどんどんフレンドリーになっていきますね(笑)

次は佑介くん視点はお休みです

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