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召喚主は少女でした

いつも読んでいただいて、ありがとうございます(* ̄∇ ̄)ノ




投稿しておきながらなんですが、文章力が皆無に近いので投稿の報告を書いていません





「あぁぁぁぁっ!」




サキと暁は、不思議な空間のなかをぐるぐるとまわっていた。




「サ、キ………って!」




思い切り舌を噛んだ。目は回るし、吐き気がするしで散々だ。



暫くしてふたりは、硬い床の上にドサリと頭から落ちた。




「っつつ……一体何がどうなっているんだ」



「どうやら、私たちは人間に召喚されたようですね」



「召喚!?」




なんでもないように言うサキに、暁は驚きの声をあげた。




「はい。人界では、低俗な魔物どもがはこびり害を為しているのです。それに対抗するため、人間たちは魔法を駆使して闘っているとか。召喚も魔法の一種なのです。ちなみに私たち上位のものは、基本、召喚されなければ人界こちらに来ることはできないのですよ………しかし、変ですね。百歩譲って私は召喚できたとしても、貴方様は召喚の式自体が存在しませんので、喚ばれることなどないはずですが……」




頭を軽く傾けるサキにつられて頭を傾けた暁の後ろから、あの……と小さく呼ぶ声がした。




「っ、なんだ、誰かいたのか。それならそうと早く言えよ」



「す、すみません……あ、あの、私です!私が貴方たちを召喚しました!」




ギュッと目を強くつむって言ったのは、13か4くらいの少女だった。



黒曜のような髪に藍色の瞳をした少女は、その瞳にうっすらと涙を浮かべ、唇を戦慄わななかせながら細い声で言った。




「し、召喚の予習をしてて……こ、子供の魔獣を召喚しようとしたら、し、失敗してしまって……そ、それで誤って、貴方たちを、召喚してしまって……ご、ご迷惑をおかけして、本当に、申し訳ありませんでした……ど、どうか、何もせずに、お、お帰りくださいっ!」




暁は必死と言った体で頭を下げる少女に困惑の顔を向け、隣にいたサキにコソっと聞いた。




「……なんでこの子こんなに必死なんだ」



「悪魔は悪の存在ですから。召喚が誤りだとわかれば、何かしらのわざわいをもたらすと思ったのでしょう。貴方様を見て悪魔と思うなど、無礼極まりないことですが」




サキの最後の一言は聞かなかったことにして、そうなのかと呟く暁に、それよりも、とサキが暁に下の魔法陣を見るよう促した。




「この魔法陣、この年頃の少女が作ったにしては中々の出来ですよ。どうやらこの魔法陣の作りが高精度であったがゆえに、失敗して暴走しても何かしらの偶然が重なって私たちが召喚できたようですね」




本当に、運がいい少女ですね。と、そう思っているようにはまったく見えない顔で言ってのけた………俺たちは召喚の暴走に助けられたのか。



顔を青ざめる少女に申し訳なく思いながらも、暁はサキに先ほどから考えていたことを話した。




「なぁ、召喚てことは(マンガなどであるように)俺たちはこの使役しえきということになるのか?」



「はい、一応そうですね。……いまのところは」



「いまのところは?」




聞き返す暁にサキは怪訝な顔をしたが、やがて合点がいったのか、ああと呟いた。




「召喚は、諸刃の剣なんですよ。特に高位の者の召喚となると、従えられれば召喚主にとって大きな益をもたらします。しかし、従えられなくなれば逆に襲われて命を落とすことになるのです」




サキは一端口を閉ざし、普通であれば言いにくいであろうことを遠慮なく付け足した。




「召喚主が死ねば、召喚による戒めが解かれ自由の身になります。ですから、多くの魔物たちはその機会を狙っているといっても過言ではないのです。召喚主に喚起かんきされてしまえば、喚ばれない限り人界こちらに来ることは叶いませんから」




つまり、いまは一応召喚主である少女が生きているので自分達は彼女の使役であるが、少女を殺せば自由の身となり人界を満喫できるというわけか。



なるほど、と頷く暁に、少女が再び震えた声で話しかけてきた。




「あ、あの……ど、どうか殺さないで……し、使役になんて、しませんから……せ、責任を持って元いた場所に、お還ししますから……どうか、命だけは……」




とうとう少女は泣き出してしまった。なんだかこちらがいじめたようで後味が悪い。



いや、殺さないから心配するなと言おうとしてサキに言葉を遮られた。なんだ、とサキを横目でじろりと睨むと、サキは暁にコソコソと言った。




「アキラ様、これはチャンスです」



「……チャンス?」



「はい。ここで戻れば、また邪神たちに出くわすことになるかもしれません。ですが、このままここにいれば滅多なことがない限り彼らも手出しは出来ませんし、私たちにとってもいい修行になるでしょう」



「修行?」



「はい。彼女に付き従い、魔物たちを倒していけばよい経験になりますし、その合間に力の使い方やコントロールを覚えるのです」




(なるほど、それならお互いのためになるな……」




少女といれば、いい修行になる。そして彼女は、助かる。



一石二鳥だと微笑む暁に、何を勘違いしたのか少女は青を通り越して顔が白くなっていた。



あぁ、説明しないとな……と小さく言った暁は、少女の顔を見て、果たして普通に話ができるか少し心配するのだった。

……投稿の報告、書いたほうがいいのかなぁ

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