表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/52

痛む心と辛い過去

こんなわけのわからないお話に付き合ってくださっている皆様、本当に感謝します


どこか変じゃないだろうかと悩みながらも頑張っております(。>д<)


わからないところがあれば、遠慮せず仰ってくださいませm(__)m







━━━私、サキヴェルシア=ティル=ローデリッヒは神と悪魔の間に生まれた禁断の子だった。





父は三闘神のひとりで、横暴で我が儘な神だった。



母は悪魔で、侯爵令嬢であり、物静かで大人しかったという。




出会いなど知らない。知りたくもないがしかし、父が母を無理やり手籠めにしたことだけは知っていた。



母が狂ったような目でサキを見ながら、ぶつぶつと呟いていたからだ。




『……憎らしい。あの男のせいで、わたくしは両親に捨てられてしまった……ねぇ、わたくしが何をしたの?なぜこんな目に遭わなければいけないの?ねぇ、教えて?』




心が壊れてしまった母は実の父に奴隷商に売られ、とある貴族に買われた。そして、力の強かったサキは、そこで神や悪魔に仕える"物"として蔑まれながら教育を受けていた



手足を鎖でつながれ、首には頑丈な鉄の首輪を嵌められた。鞭で全身を打たれ、棒で叩かれ、拷問のような毎日だった。そんな目に合いながら、毎日のように言われ続けた。




『仕える方の命令に背くな。てめぇは所詮、買われる方の愛玩具なんだからよ。』




身も心もぼろぼろだった子供のサキにとって唯一甘えることができるはずの母は、サキを見ると顔を歪めて物を投げつけてきたり、叩いたり、蹴ったり、首を絞めたりもした。




『お前は生まれてきてはいけなかったのよ……お前の父親のせいで、わたくしの人生は滅茶苦茶だわ』




何度も何度も呪うような声で、毎日のように怨みをサキにぶつけてきた。幾度として謝っても、母はやめない。赦してはくれない。



毎日のように行われる"教育"と、母の虐待にサキの心は疲れ果てていた。



まみえたことすらない父を恨んだ。愛してくれない母を呪った。けれど、他の誰を恨んだり呪ったりするよりも、半端な存在である己れの身をこの上なく嫌悪した。



……そしていつしか、サキは考えることをやめた。ただ従順に、奴隷のように働くことを是とした。そんなある日、サキの教育係の男は嘲笑を浮かべながら、こう言った。




『てめぇは悪魔じゃねぇ、神でもねぇ。そんな中途半端なてめぇなんざ、どこの世界でも生きる価値なんてねぇんだよ。神や悪魔に媚びることでしか生きられない、家畜以下の忌み子なんざなぁ?』




サキの存在を認めてくれる者などひとりもいなかった。自分はただの家畜で道具。利用価値があれば使われるが、利用価値がなくなれば棄てられる。ただそれだけの存在だった。否応なしに突きつけられる現実に諦めるしかなかった。



その後、サキは邪神ルビアスの使いのものという男に買われ、買い主に会うことなく使いの男に説明だけを受けて暁の元へと送られた。



主として暁が相応しいかどうか試してもいいと男に言われたサキは、遠く離れたところで様子を伺い、そして試した。



仕えるのに相応しいと判断したサキは、暁に真名を教え、永遠の忠誠を誓おうとした。しかし、当の本人に拒まれてしまったのだ。




『自分の命の簡単に投げ出す奴が、今後一切、俺に近づくな!関わるな!自分の命を大切にできない奴が、他人の命を守ることなんて出来るわけないだろうが!』



『俺は、そんなことを一切求めていない。俺に一生なんざ捧げる必要なんてないし、忠誠も要らん』と




要らないと言われたのだと気づいたサキは、顔を青ざめながらこれからどうすればいいのかを問うた。



しかし、そんなサキに暁は。




『なぜ俺がお前のこれからを決めなきゃならない?お前の人生だろう、そのくらい自分で考えろ。俺に聞くな 、頼るな。お前がどんなふうに育ってきたかは知らないが、 自分のことくらい自分で決めろ』




と容赦ない言葉を突きつけてきた。思わずカッとなったサキは、貴方に何がわかるのかと問い詰めた。



だがしかし、暁は怯まなかった。サキの駄目なところを指摘し、その上でこれからの人生を自分で決めるように促してきたのだ。








































「……私にとって、アキラ様の言葉は心の拠り所なのです。誰も認めてはくれなかった私の存在を否定せず、そこにあるものとして接してくださった……ですので私は、この方に一生ついていこう。どこまでも追いかけていこうと決めたのです。少しでも、アキラ様の与えてくださった光に報いるために」




サキの話が終わると同時に、ティルカがぼろぼろと涙をこぼしながら言った。




「アズールさんにそんな過去があったなんて…わ、たし想像するだけで心が痛くなってしまいました。それに、アキラさんも凄く……なんでしょう。何も言葉が出てこないっっ」




わあっと本格的に泣き出したティルカを傍目に見ながら、サキの方を振り返った。




「サキ、辛いことだったろう?……話してくれて、ありがとな。そして、俺もあのときは言い過ぎた」



「いいえ、すべて的を得ていました。それに、私はアキラ様の言葉に救われたのです。気にする必要はありません。そんなことよりも、これからも永遠に隣を共に歩ませてくださいねアキラ様」





サキの言葉は暁の心に哀しく響いた。



そんな暁を見ながらサキは思う。



これから様々な困難が待ち受けているだろう。喧嘩したり、学んだりすることとて沢山あるだろう。けれど、たとえどんなことがあろうと、暁と共に乗り越えていこう。



共に学び、共に笑い、共に歩む。単純なことかもしれないけれど、命を大事に過ごしていくことの大切さを知った。



幾千もの昼と夜を、共に生きていこう。悔しい思いをすることも悲しい思いをすることもあるだろう。



けれど、それを己れの糧として日々を過ごしていこう。



私は大切な方と共に、いまを生き、未来へと歩んでいく。

ありがとうございました!( ̄- ̄)ゞ


誤字脱字等がありましたら、ご指摘のほど宜しくお願い致します( ̄  ̄;)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ