充は狐の化け物の大きさに圧倒され、硬直してしまい身動きがとれない!
(充)「う、あ………」
充が言葉にならない言葉をうわ言のように発していると狐の化け物は咆哮し、充を喰らおうと迫り来る!その時!
(女の声)「同化する迅雷!!」
突然森の奥から女性の声とともに光り輝く雷電の塊が狐の化け物目掛けて突っ込んできた!
その勢いで狐の化け物を押し倒すと雷電の塊が消えていき、消えていく塊の中から女性が現れた!
(充)「な、な………」
充は未だ言葉が正常に出てこない。
そして雷電の塊の中から現れた女性は充の目の前に降り立った!その瞬間!
(女性)「あなた!こんな所で大声で叫ぶなんて自殺行為よ!!それになんで魔法を使わないの!?」
(充)「な、なんだ………」
その女性は突然充の方を睨み、充に向かって怒鳴り散らした!
(女性)「なんで魔法を使わないか聞いてるの!?まさか魔法が使えないの!?」
(充)「ま、魔法!?そんなん使えるわけねぇだろ!!」
充は女性の存在で安堵したのか、言葉が正常に出てくるようになった。
(女性)「魔法が使えないならなんで市街から出たの!?」
(充)「はぁ!?何のこと言ってんのか全然わか………」
(女性)「!」
女性は突然振り向いて前を睨みつける!
(充)「あ………」
充が前を見ると先程の狐の化け物が起き上がってきて充と女性の前で構えていた!
(女性)「まずはメイジフォックスを倒すのが先決ね。」
(充)「メイジフォックス………あの化け物名前があるのか………」
(女性)「メイジフォックスは図体の割に俊敏で素早い動きが得意よ。あなたもいつの間にか後ろをとられてるなんてことにならないようにね。」
(充)「あ、ああ………」
するとメイジフォックスは大声で吠えながら女性に向かって喰らい付こうと襲い掛かる!すると!
(女性)「激走する紫電の直撃!!」
女性が謎の言葉を唱えながら右手をメイジフォックスの方に向けると、右手から紫色の電光が一直線に放たれてメイジフォックスを感電させてダメージを与えた!
(充)「なんなんだよこれ………」
充はその壮絶な光景を見ていることしかできなかった。すると!
(メイジフォックス)「ウォォォォォォォォッ!!」
メイジフォックスは感電して苦しそうに吠えながら森の中に入っていき女性から距離をとった!
(女性)「これで引き揚げてくれるかしら………」
(充)「おい!!油断するなよ!!」
(女性)「………」
充の言葉に女性は少々腹を立てて充の方を振り向いた。
(女性)「あなたねぇ、守られてる立場のくせにその態度はないんじゃ………!」
女性は充に向かって話している間に気付いた!メイジフォックスが動き出したのだった!
そしてこの暗く深い森に地響きが轟き渡る!
メイジフォックスは女性と距離を保ちながら超高速で森の中を駆け回っている!
(女性)「そんな!!いくらなんでも速すぎる!!目でも追い切れない………」
女性は自分たちの周りを超高速で走るメイジフォックスの動きを必死に目で追いかける!
(女性)「………(メイジフォックスが素早いからってここまでの動きは今までのデータにはなかった!!じゃこれはメイジフォックスの親玉かなにか!?いや、そんなこと考えてる暇もない!!隙を見せればやられる!!)」
女性は辺りを必死に見回してメイジフォックスの動きを捉えようとするがメイジフォックスが速すぎて捉えきれず、暗く深い森に絶えず地響きが轟き続ける!