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(充)「…………」


充は言葉も出ずに呆然と立ち尽くしていた。自分に何が起こったのか理解できなかったからだ。




ここは林木が力強く生い茂る暗く深い森の中。先程までいたはずの屋上への扉もなければ階段もない。そこに充は1人立っていた。


(充)「どこだここ………」


辺りを見回しても同じ景色ばかり、上を見上げても空を拝むことすらかなわなかった。


充は一度自分に何が起こったのか考えてみた。


(充)「たしか………俺の体から黄色い光が出てきて………それから…………」


充はそこから先何が起こったのか結局思い出せなかった。だがしかし………


(充)「そうだ!!誰かの女の声が聞こえた!!あの声は史奈じゃない!!」


と言った瞬間史奈のことを思い出し、大声で史奈の名を呼ぶ!


(充)「史奈!!史奈ぁ!!いねぇのか!?史奈ぁ!!」


だが史奈からの返事はなかった。至極当然である。周りには人1人いないのだから………


そして充が我に返るとまた何が起こったかを考え出した。


(充)「違う、あの時黄色い光が出てきたのは俺の体からだけだ………つまり何かが起こったのは俺の方、てか俺にだけだ。」


充は何が起こったかはわからないが、その事だけは理解した様子だった。


(充)「………後はさっぱりわかんねぇ………一体ここはどこなんだ………」


充が悩んでると自分の体の一部にある異変が起こっていることに気付いた。


(充)「なんだこれ?」


充の右手の甲に謎の紋様が刻まれていた。


(充)「こんなの書いた覚えねぇし………なんか刺青みたいで消えそうにもねぇしな………」


充は何度も右手の甲を見たが、どうしようもなさそうなのであまり気にせずに歩き出すことにした。


(充)「こんなとこで突っ立っててもしょうがねぇし。とりあえず森を出よう。」


そして充は暗く深い森をあてもなく歩いていく。生い茂る草木を振り払いながら。


(充)「くそっ、歩きづれぇ森だな………なんで俺こんなとこにいるんだよ………」


ぶつぶつ言いながら充が少し歩くと突然!




(充)「うわっ!!」


森が揺れる程の地響きが轟く!


(充)「な、なんだ!?」


しかも地響きは何度も轟き、次第に大きくなっていく!


(充)「こっちに来てる!!何かすげぇでかいもんが近づいてきてる!!」


充が焦っていると、その地響きの原因であろうものは突然目の前に現れた…………


(充)「あ………」


それは途轍もなく大きく、背中に大きな刃を持ち、鋭く巨大な牙を持った狐の化け物だった!

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