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充は席から立ち上がり、ドアの所に立つ史奈の元に向かった。


(充)「どしたんだよ史奈。」


(史奈)「………充なら言わなくてもわかるでしょ。」


(充)「はいはいわかってますよ。じゃ行こうぜ。」


そして充は史奈を連れて教室から出て行った。


(数明)「………後で問い詰めてやろっと笑」


数明は相変わらず不敵な笑みを浮かべていた………




そして充は史奈を連れて学校の階段を登っていく。


(史奈)「この前は本当にごめんね………」


(充)「いいって言っただろ。気にすんなよ。」


充と史奈は真剣な表情で話しているが、史奈の前を歩く充は史奈の顔を見ようとしない。


(史奈)「…………」


史奈は充が自分の顔を見てくれないことで次第に暗い表情になっていく。だが………


(充)「お前は気にしすぎなんだって。いつも言ってんだろ。」


(史奈)「でも………」


(充)「今俺がお前の顔を見ないのは楽しみを後にとっときたいからだぜ?笑」


充は前を向いたまま笑顔でそう言った。すると………


(史奈)「………うん!笑」


史奈は先程までとうってかわって物凄くにこやかな顔になった。


そして二人は階段を登り続け、ついに屋上へ出るドアの前まで登ってきた。


(充)「あんまり時間ねぇし急ぐか!」


充の言葉に史奈が後ろで大きく頷く。そして充は屋上へ出るドアを開けようとする………




突然史奈の目に眩い光が差し込む。


(史奈)「ん………」


史奈は手をかざして眩い光をおさえて充の方を見た。すると!


(史奈)「充!?」


(充)「ん?どした?」


史奈はあまりの出来事に驚きを隠せない!そして固まった状態でこう呟いた!


(史奈)「充の体………」


(充)「体?」


充が下を向いて自分の体を見る。すると!


(充)「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」


突然充の全身から黄色く激しい閃光が放たれていた!


(充)「なんだ!?なんなんだよこれ!?」


(史奈)「充!?大丈夫!?」


(充)「なんなんだ!?わけわかんねぇよ!!この光は一体なんなんだ!?」


気が動転して狼狽する充を史奈は固まったまま動けなかった。その時!


(女の声)「救世主様…………」


(充)「!」


謎の女の声が充の頭の中に響く!


(史奈)「充!!」


(充)「史奈ぁぁぁぁぁぁぁ!!」


充はパニックに陥り史奈に助けを求めて手を伸ばす!その時!


(史奈)「きゃぁっ!!」


充の体から放たれる黄色い光はさらに強くなっていき、突然学校中に鳴り響く程の凄まじい爆音が轟く!




突然の爆音で何事かと騒ぎながら駆け寄ってくる他の教室の生徒たちと先生。


だがそこには何事もなかったかのようないつも通りの光景が広がっている。


先程まで騒ぎながら駆け寄ってきた生徒たちはガッカリした表情をし、一緒に駆け付けた先生は生徒たちが教室に戻るように指示をする。


でもここで何が起きたかはそこで立ち尽くしていた史奈だけが知っている………


(史奈)「………充?」


充が史奈の目の前から黄色い閃光とともに忽然と消えてしまったのだ………

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