充がロイズに質問を投げかけた。
(充)「ここは一体どこなんだ?」
(ロイズ)「どこって言われても………とりあえずこの辺はノドリス平原、さっきの森はダオムの森。ダオムの森にはモンスターがいっぱいいるんだけどノドリス平原には比較的モンスターは少ないわ。」
(充)「モンスターってさっきのメイジフォックスっていうやつのことだよな?あんなのが普通にいるのか?」
(ロイズ)「そうよ。だから魔法が使えない普通の人たちのためにあの城都を作ったの。」
(充)「あの城のこと?」
(ロイズ)「そう。こっからじゃよく見えないと思うけどあの城は実は巨大な城壁が取り囲んでるの。でその城壁にはその城都で暮らす人々が住んでるのよ。」
(充)「城壁に人が住んでるのか!?」
(ロイズ)「城壁っていっても作りが強固なだけで見た感じは普通の家よ。普通の人はあの中でしか生活できないから最大限に生活区域を広げようとした国王の工夫だって。」
(充)「ふ~ん、そういやディオン国王っていってたな。国ってあの城のことなのか?」
(ロイズ)「本当はノドリス平原もダオムの森もその周りも王国の領土なんだけど、実質的にはメガロディ城の中の町だけが領土みたいになっちゃってるわね。モンスターがいなくなれば普通の人も自由に暮らせるのに………」
(充)「そのモンスターはなんでいるんだ?俺の世界じゃ考えられねぇぞ。」
(ロイズ)「私もわかんないわ。私が生まれた時にはもうこうなってたから。多分なんでモンスターがいるかなんて誰も知らないと思う。」
(充)「そういう世界ってことか………」
(ロイズ)「だから私たち王国護衛隊が普通の人の活動区域を広げるためにこうやって城の外に出てモンスターを倒して回ってるの。一向に減らないけどね。」
(充)「なるほどね………」
そして充とロイズはメガロディ城の城壁の前に着いた。メガロディ城は近づいて見ると異様に大きく、この中に町が1つ入っていてもおかしくない程のスケールだった。
(充)「城壁が普通の家ってこういうことか…………」
(ロイズ)「普通の家でしょ?」
(充)「俺らの世界でいうマンションだな………」
(ロイズ)「メガロディ城は正門からしか入れないの。城壁もさることながらメガロディ城の周りには巨大な魔法の結界が張ってあるからモンスターは城都に近づくこともできないの。」
(充)「正門はどこにあんだ?」
(ロイズ)「こっちよ。」
そして充とロイズはメガロディ城の城壁を沿うように歩いていく。
(充)「………なんかさっきのモンスターと同じようなことになる気がするけどさ。」
(ロイズ)「何?」
(充)「魔法ってなんなんだ?」
(ロイズ)「魔法は自身の魔力を行使して発動する手法のことよ。魔法も魔力もなんであるかはわかんないけど………とりあえず私は生まれつき魔力を持ってたわ。魔法は勉強して覚えたけど。」
(充)「やっぱりモンスターと一緒か…………やっぱりここはファンタジーみたいな世界なんだな。」
(ロイズ)「ファンタジー?」
(充)「なんでもねぇよ。」
そして充とロイズはメガロディ城の正門に辿り着いた。正門には2人の門番が立っていた。
(充)「でっけぇなぁ…………」
(ロイズ)「王国護衛隊三等兵、ロイズ・ファンドーラです。」
(門番)「はい、ロイズ・ファンドーラの帰還確認致しました。正門を開けます。」
そして門番が城壁にあった小さな扉を開け、門番の部屋にあるスイッチを押した。すると正門が物凄い音をたてて開いていった。
(充)「うるせぇなぁ………」
(ロイズ)「早く行くわよ。ミツル。」
(充)「え!?お、おぅ。」
充は突然ロイズに名前を呼ばれたことに驚きながらもメガロディ城の中に入っていった。