表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/99

秋の章・18 突然の電話

 液晶画面に表示されたのは、父圭介の番号であった。

 しかしこんな時間にどうしたというのだろう。

 眞子に「失礼」と断りを入れると、電話に出る。


「もしもし」

 すると聞こえたのは圭介ではなく、友紀の泣き出しそうな声だった。


『誉さん! 大変です、圭介さんが……階段から落ちて』

「父さんが?」


 階段から?

 飛沢家の階段は昔ながらのもので、急こう配であり、階段の幅も狭い。幼い頃、何度も階段を転げ落ちたものだ。


 ――歳を取ると階段がきついね。


 誉は階段から落ちることも、足を踏み外すこともなくなった。しかし反比例するように、圭介が頻繁に階段を踏み外すようになっていた。


「それで、容態は?」

 サイレンの音が聴こえる。背後が騒がしい。恐らく救急車が到着したのだろう。


『意識が、なくて』

 どくん、と心臓が音を立てる。

『これから救急搬送されるんですけど……病院は、わかり次第また連絡します』

「わかりました。わかり次第連絡をお願いします」


 通話を切ると、深い溜息を吐いていた。手には汗が滲んでいる。


「飛沢くん?」

 気遣うような眞子の声。振り返ると、眞子の表情が不安げに曇る。

「大丈夫……?」

 大まかなことは今の会話で把握したのだろう。

「すみません。急用ができてしまって……ホテルはこの道を真っ直ぐ行って、最初の交差点を右に曲がればすぐにわかります」

「わかったわ。ありがとう……早く行って。大丈夫だから」

「すみません」


 頭を下げる誉に「いいから、ほら早く行った行った!」と背を押した。


「ありがとうございます」

 では、と軽く会釈を残して誉は足早に駅のある方向へと向かっていった。




「あーあ、行っちゃった」

 一人残された眞子は、視界から誉の姿が消えるのを確認すると、落胆したように溜め息を吐いた。


ずいぶん間が空いてしまいました。

本当に久しぶりの更新になってしまいました。

そして短くてすみません。


ちゃんと完結はさせるつもりですので、よろしければお付き合いいただきたいと幸いですm(__)m

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ