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リンドベルへようこそ【本編完結済】   作者: 染舞
商人マリエッタのコーヒータイム
8/12

第2話「くぅっ、解せぬ! と悔しみつつ、彼女は笑う」

「いやー、分かるー。あの二人は別格だよね」


 夜。マリエッタの住居兼店舗に、彼女の共感の声が響く。

 もう寝るところなのか、水色のパジャマを着て、大きめのベッドの上に座ってうんうんと大きく首を振っている。

 マリエッタの頷きに、同じくベッドの上にいたレイリアが目を輝かせる。その姿は可愛らしいピンクのパジャマと相まって、仕事中のクールな姿とはかけ離れていた。


挿絵(By みてみん)


「分かるっ? 分かってくれるっ? やっぱりマリエッタなら分かってくれると思ってた!」

「そりゃ分かるって。あなたと私は同士でしょっ?」


 マリエッタの同意に、レイリアは完全に乙女な顔をして「マリエッタ!」と抱きつき、マリエッタはマリエッタで「レイリア!」と抱きつき返した。


「……はぁ。あんたたち、恥ずかしくないの?」

挿絵(By みてみん)

 そしてそんな二人を呆れた目で見ているのは、フェローチェ商会の一人娘で彼女自身も商人のリアナ。寝るためにゆるく三つ編みをしなおしていた彼女は、丸い大きな眼鏡のズレを直しながら呆れ果てていた。

 抱きつくことを恥ずかしくないのか、と聞いているわけではない。二人の会話内容の方だ。

 抱き合っていたマリエッタが拳を握り、そんなリアナに反論した。


「恥ずかしいわけ無いでしょ! ダンさんとギルバートさんのカップリング最高って話は恥じることないわ!」


 腐の話だった。

 堂々と言ってのけるマリエッタに対し、レイリアはさすがに恥ずかしそうにモジモジした。


「か、カップリングとか……私はそこまでの話じゃなくて、あの二人は仲が良いよねっていう」


 必死に誤魔化そうとしているが、長年の友人関係の間でそんなごまかしが効くわけもない。


「何言ってるの、レイリア! 私知ってるのよ。あなたがあの二人で◯◯して▲▲な□■を想像してるって!」

「きゃー! 何で知ってるのっ? 隠したのに」

「……え? まじで想像してたの?」

「え?」


 マリエッタが驚くと、レイリアも驚き……なんとも言えない空気が漂う。

 そんな中、リアナはひとり冷静に寝る準備を終えて、ベッドに横になる。


「ほら、灯り消すよ。あたしは明日も早いんだから」

「えーっ、もうちょっと話そうよ」

「そうよ、リアナ。久しぶりに会ったんだし」

「……散々話したでしょ。ほら、早く寝なって」


 この中で一番年下であるリアナだが、まるで二人の姉か母のようである。


「まだ語り足りないのになぁ」


「ダン×ギルについて」

「ギル×ダンについて」


 マリエッタとレイリアの声が被る。二人は目を瞬かせ、見つめ合う。

 二人はしばらく無言で見つめ合い、やがて……信じられないものを見る目で互いを見た。


「そんな……どう考えてもダンさんが攻めでしょ?」

「ちょ、どうしてそうなるの? だってギルバート様の方が前衛の剣士なのよ?」

「分かってないなぁ。だからこそのダンさんの攻めが――」


 ここに、一大カップリング論争が繰り広げられようとした、その時!


「あーっもう! うるさい! さっさと寝なさいってば!」


「「はい。すみません」」


 19歳に怒られたことで、その戦いはあっけなく終わったのだった。


(くうっ! いやでも! 絶対にダン×ギルだって!)


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