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腐れ縁

「ねえちょっと、なんなのあの娘?」

「えっ」

「へー。リョウはあんな女性が好みなんですか。これは新しい発見だ。メモメモ……」

「するな!」


 オレの命が人質に捕られ、泣く泣くこいつらを家に上げて二分。オレは二人の客人から言葉責めに遭っていた。


「私というものが有りながら、リョウ! 私とのことは遊びだったのね!」

「はああ!? お前何言ってるんだ!? と、とりあえず落ち着いて……」

「ふふふ。漁火漁夜二股事件。これはいい記事になりそうだ」

「ま、待て! なに勝手に事件起こしてるんだよ! オレは二股なんてしてないっての! だいたいお前と付き合った覚えなんて無いぞ!」

「やっぱり私とのことは遊びだったのね!」

「あーもう!」


 こいつらオレの話を聞く気なんか全然ねぇな。まあ分かってたことだが……。オレは来訪者達への対応を放棄することにした。もう勝手に喋ってろ。


「あの~」


 その時、傍観者となったオレにおずおずとした声が掛けられた。


「この方達は、いったい」


 そう問い掛ける少女の顔は、いかにも困惑してますって表情をしていた。


「こいつ等は、オレの幼なじみだ」


 認めたくないけどね。


「そうなのですか」

「そうなのですよ」


 オレ達三人は物心付いたときから一緒にいた。小さかった頃は団地に住んでいたので、お隣りさんだったからだとかそんな理由だろう。団地だけではなく、幼稚園や小、中、高ずっと同じクラスだった。

腐れ縁って本当にあるんだな。

 しかたがないので、あの二人について少し説明しよう。


「手帳にメモしまくってるやつが、佐島浩二さじま こうじ。うちの高校の新聞部員だ」


 佐島浩二。オレの通っている高校の新聞部のエースで、彼氏にしたい男子No.4の美男子。その丁寧な物腰ときれいな声色で、数々の女性を虜にしている。また、新聞部ではその人脈を利用して校内ランキングの集計にあたっているようだ。そのおかげで、今年の校内新聞の売り上げペースは去年の倍以上らしい。


「んで、1人できゃあきゃあ騒いでる女が、宇崎薫うざき かおる。あれでもうちの高校の吹奏楽部キャプテンだ」


 宇崎薫。廃部の危機にあった吹奏楽部を立て直した猪突猛進少女。誰彼かまわずに入部を持ちかけて、たった5人しかいなかった部員を6倍の30人にまで増やした。その功績を認められ、1年生ながら異例の部長へと就任した。しかし、薫本人は素人のため、部活のスケジュールや練習メニューなどはほとんど副部長に任せっきりらしい。本人曰く、「部長は責任だけ取れればいいのよ!」だそうだ。


「まったく。とんでもない女だよ」


 そう言ってオレは台所へと向かう。空になった皿を持って。それにしても、いったい何しに来たんだ?

 台所で皿を洗っていると、背後から声が掛けられた。


「リョウ~。私お腹空いたー」

「僕も昨日から何も食べていなくて」


 なるほど。あいつら朝食をたかりに来たのか。しかし残念だったな。


「ご飯なら無いよ。全部食べちまったからな」



 だからお前らに食わせる朝メシはねえ。


「えぇ!? じゃあリョーカ姉さんの分も無いじゃん!!」

「うああぁぁああ!!!」


 なんて恐ろしい事を思い出させてくれるんだよ! せっかく忘れかけてたってのに!


「なるほど。反抗期ってやつですか」

「うるさい浩二」


 姉貴に反抗しようなんてオレはこれっぽっちも思っちゃいないんだ。


「無いんなら、どうせまた作るんでしょ?」


 固まってしまったオレに、薫が話し掛けてくる。


「だったら私達の分もついでに作ってよ。リョウ」

「う、うぅ……」


 薫が今どんな顔をしているのかなんて、振り向かなくても分かる。そしてこの後なんと言うかも。


「作って――」

「分かった分かった。作ればいいんだろ作れば」


 薫の言葉を遮るように、オレは自分から作ってやると言ってやった。出鼻をくじかれた薫は、目を丸くして驚いている。こうなった薫は誰にも止められない。それはオレが一番良く知っているからな。


「ただし……」

「ただし?」


 オレはクルッと振り向き、泡だらけの人差し指を突き付けて言い放つ。


「お前ら食材買って来い!」



 電車の中で書いてるので、ぜんぜん話が進みません。月に2回投稿出来れば良いほうだと思うので、次回の登校もだいぶ先になりそうです。自分勝手で本当に申し訳ありません。

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