食事終わって
しばらくぶりの更新。それもたいした量じゃなく……。やっぱりプロット作るべきなのかなぁ。
「ごちそうさまでした~」
そう言ってようやく箸を置いた少女。
俺の隣には、空になった炊飯器が申し訳なさそうに鎮座している。
朝からご飯を五杯もおかわりするなんて……どんな胃してんだよ。姉貴の分が無くなっちまったじゃないか!
この後の展開を思い、オレはため息をつかずにはいられなかった。
「おいしかったですぅ」
そんなオレの心中を知ってか知らずか、少女は満面の笑みでお茶を啜っている。
「……………………」
ま、まあいいか。
姉貴の小言なんていつも聞き慣れているし、そうなったらまた作ればいいだけの話だ。
普段は「もっと早く作れないのかい?」とか「食えるだけましか……」など、嫌味なことしか言われていないオレにとって、彼女の笑顔と「おいしかった」の一言はあまりにも新鮮だったんだ。
「あ、あの」
喜びの余韻に浸るオレに、おずおずとした声がかけられる。オレが自分の世界から戻ってくると、正面の席に真剣な眼差しをした少女の顔があった。さっきまでの柔らかく暖かな笑顔とはまったく違った、獲物を射るような鋭い眼差し。オレは彼女の黒い瞳に吸い込まれるような感覚を覚えた。
「昨日はありがとうございました。リョーヤさん」
「……昨日?」
昨日……昨日……昨日?
「雨の中、倒れていたところを助けてくれたことです」
なんだそのことか。まあ他に心当たりもないからな。彼女、ずっと眠ってたし……ってちょっとまて!
「……お礼なら笑顔で言ってほしかった」
だからそうじゃないだろ!
「キミ、なんでオレの名前知ってるのさ!?」
オレの記憶が正しければ、オレはまだ彼女に自己紹介をしていない。そもそもずっと眠っていたんだから、会話はおろか声を聞くのも今日が初めてなんだ。それなのにどうして……。しかし彼女は、オレのその一言を聞いて「えっ!」と驚いていた。
「あ、あの。わたしのこと、覚えていないんですか?」
そんな事を言ってくる彼女。さっきまでの鋭い表情はどこへいったのか、信じられないといった表情でオレの顔を覗き込んでくる。
「え、えっと……」
突然間近に現れた彼女の顔に戸惑いつつも、思考を記憶の海へと投下する。膨大な情報の中から、目の前の少女に関する記憶を探し出す。彼女の記憶といったら、雨の中公園で震えて倒れていたことと、尋常じゃないくらいたくさん食べること、あと背負ったときに意外な重さに驚いたことくらいだ。
「ゴメン……」
残念ながら、昨晩より前の記憶に彼女はいなかった。その事を告げると、彼女は肩を落して「そうですか……」と呟いた。
顔を伏せて黙り込んでしまったこの少女に、オレは何と声をかけてあげたらいいんだろう? そもそも、オレが原因で(まったく身に覚えがないが)こうなってしまったのだから、オレには声をかける資格なんてないんじゃないか?
そう考えて何も喋れないでいると、当然ながらミョ~な沈黙が場を支配した。
こんな感じで、忘れたころに更新していきます。遅れる理由は……そう! 時間がないから!