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自己紹介は典型的に

「お前、ミサじゃない……よな?」 


 出会ってからほんの少ししか経っていないが、あのミサがこんなにニコニコと笑っている姿はどうにも想像できない。いや、完全に偏見だけどさ。


「あらあら、分かっちゃいましたか~。さすがですね~」


 何がさすがなのか知らないが、とにかくオレの直感は当たったらしい。


「でわでわ、せっかくですので私の名前も当ててみてくださいな」


「あ、ああ……」


 先ほどの事もあるので、正直今彼女とどう話して良いか分からない。頭を使っていたほうがいくらか気も紛れるだろう。


 というわけでしばし考える。というか既に何となく分かっていたりするんだなーこれが。


 魅央……魅左……。


 央……左……。


 とくれば……おそらく……。


「三頭……魅右ミウ?」


「むぅ~~」


 とたんに不貞腐れたように頬を膨らませこっちを睨んでくる彼女。あ、やっぱり間違えたか。


「……当たっていたから不貞腐れてるんですぅ」


 さいですか……。てか当ててみろって言ったのはそっちじゃんよ!


「まったく、自己紹介は自分で名乗るから自己紹介なんですよぅ。それなのに一発で当てるなんて面白くもなんとも無いじゃないですか。いいですか? こういう時はもっとこう……」


 世の中のお約束とやらを力説しはじめたミウ。その言葉に適当に相槌を打ちつつ、今度は現状把握のために脳をフル稼働させる。


 この部屋で起きたことと、今朝の出来事から考えるに、つまり……


「……ですから、据え膳食わねば何とやらということわざの通り、男の子ならそういった場面で」


「つまり、君は多重人格者ってこと?」


 いや、うん。自分でもいまいちしっくり来ないんだけど、こういう事で合ってるよな?


「ええ。そういうことです。この体には、魅左・魅央・魅右の三つの人格が宿っているんですよぅ」


「さ、さいですか……」


 魅左の肯定の言葉で自分の認識が間違ってなかったことを確認すると、オレは一言、言わずにはいられなかった。



「ありえねぇぇぇえええ!!!」



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