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プロローグ
初めての投稿になります。
気ままに書いていますので、更新はとてつもなく遅いです。
それでも良いという方、どうぞよろしくお願いします。
プロローグ
――よいかケルベロス
頭の中に直接響く、低く重みのある声。
――この責任はお前にある
容赦なく響くその声に、わたしの意識は次第に薄れ始める。
――お前は下界へと行き、この事件を収拾せねばならぬ
声の主がそう言うと、わたしの目の前で扉が開いた。
決して開けてはならない扉が、音もなく開いた。
扉の向こうには暗い闇が広がっている。一寸先も見えない闇。
そんな闇が、わたしが来るのを今か今かと待ち構えていた。
――さあ行くのだ、ケルベロスよ。下界へと逃げた咎人どもを、この地獄まで連れ帰ってくるのだ!
背後から猛烈な風が吹きつける。
わたしはなすすべも無く漆黒の闇へと落ちていった。