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一
はじめての投稿です。まだ内容は短いですが、もし読んで頂けたなら、感想ください。
先生はとても男前でした。
凛々しい眉に、二重で大きい瞳。
体つきも良く、あまり美術の先生には見えませんでした。
また、口は悪かったので、体育会の先生たちよりも、体育会の先生らしく見えました。
面倒見は良いとの評判で、女子の間では結構人気の先生だったと思います。
僕もそんな先生が好きでした。
先生はいつも課題を僕たちに出す前に、お手本を作られていたのですが、その大きな手からは想像も出来ない程、繊細な作品が生まれていました。
僕は遠目でいつもそれらの作品を見ていました。
自分から先生の所へ行くのは、何故だか申し訳ない気がしたのです。
だから、先生と話す機会もあまり無く、いつも女子との会話を盗み聞きをしていましていました。
「先生っていくつなんですか?」
「32だけど」
「えー、嘘でしょ!」
「おい、それは良い意味で捉えていいのか」
「うふふ、さぁ、どっちでしょう」
「こいつ!」
会話を盗み聞きする為に、美術の時間は神経の半分以上を耳に傾けていました。