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6話

昨日の人間達は優しかった

さけど、きっとミケが街に行くと迷惑になるんだろうな


「これからどうしようかにゃぁ…」

食事だけならここにいても問題なさそうだけど

ひとりぼっちは寂しい


「やっぱりご主人様を探すにゃ!」

とにかく知っている場所を探そう

灰色の地面や壁のある場所

固くて暖かいのに乗って人間達はどこかへ行っていた、あの大きいのはどこだ?

「またあれに乗って温まりたいにゃ」


お魚ばっかりのおうち、その隣はお肉がいっぱい

みんな僕に優しくしてくれたあの街に戻りたい


「どっちにゃ?きっとこっちにゃ?」

街とは反対方向にも道は続いている

灰色で固い地面じゃないけれど、踏み固められて草もあまり生えていないからきっと人間がいっぱい歩いているんだ


10分20分歩いても建物いっぱいだったのに、ここには一つも建ってないや

裏山にだって小さな建物はあったのに


でもさっそく人間発見だ

お馬さんで引っ張ってるのは小さなおうちなのかな?家ごと移動なんて人間は面白いこと考えるなぁ


「ちょっと休ませてもらうにゃ♪」

上に乗っかっていると、布でできた屋根が振動でぽわんぽわん弾んで面白い

「なんにゃ?休めないにゃ♪」


身体が弾んで落ちちゃいそう

仕方ないから諦めてお馬さんのとこに行こう

「失礼するにゃー」

紐をもった人間の近くに座らせてもらう

こうするとみんな背中を撫でてくれるから


人間が急におっきな声出した

驚かせちゃったかな、でも追い払われなかったし大丈夫そう

「おやすみにゃ…」


日差しが暖かくてうとうと…

せっかく気持ちよく寝てたのに、急にお馬さんが止まったからビックリ

前に別の人間がいっぱいいた

なんかおっきい声で喋ってるし、怒ってるみたいで怖い


ミケには包丁をもった人間なんてご主人様くらいしか知らない

この街には外でも包丁を使う人間がいっぱいいるんだなって思ってた


「なにか料理するにゃ?僕も食べたいにゃ」

近づくと驚いた人間が僕に包丁を向けてくる

しかも

ブンブン振り回してすっごく怖い


「にゃ?!僕は食材じゃないにゃ!」

とっさのことで避けられなかった

切られた前足からいっぱい血が出てきて悲しくなってきた


「僕なにかしたにゃ…?にゃ…」

ジリジリと人間達が近寄ってきて包丁を僕に向ける

逃げなきゃ…

振り返って後脚で大きく地面を蹴って、砂をかけた隙に逃げよう


「やめるにゃ!」

地面を思い切り蹴る

いくつもの土の塊が人間に飛んでいって、その内の一つが人間の腕に刺さってしまった

「にゃ?!ごめんにゃ!傷付けるつもりはなかったにゃ!」


倒れた人間に近寄って傷口を舐める

「ごめんにゃ…許してにゃぁ…」

【アースショットがLv2に上がりました】

【土属性攻撃Lv1を習得しました】

【素早さ補正+Lv1を習得しました】


人間たち僕を振り払ってどっか行っちゃった

きっと怒っちゃったんだ

難しいな、なかなか仲良くなれない


自分の事ちゃんとわかってないから失敗するんだ、強いのはいいけど怪我させちゃダメだ


「ゴメンにゃ、また来るにゃ!」

お馬さんと一人残った人間にバイバイして、僕は茂みの方に入っていった


「頑張るにゃ!」


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