46 大体あの二人のせい。
「ほら、アキラ着いたよ。今日は……ありがとね!」
「いえいえ、俺もたのしかったし、パトリシアちゃんの意外な一面も見れたしね」
パトリシアちゃんに居候させてもらっているジョイスさんのお家の前まで送ってもらったところだった。
「もうほんとにっ……アキラはずるいぞ……」
両手を前で握りモジモジしているパトリシアちゃん。可愛い。
「ごめんごめん。まぁでも家まで送ってくれてありがとうね、今日も楽しかったし」
「ミケちゃんと約束したしね! うん、あたしも楽しかった! アキラ……また明日ね!」
モジモジしていたパトリシアちゃんはいつも通りな元気っ子になっていた。そして、そのまま別れの挨拶をするとスキップしながら夜の街に消えて行く。
モジモジしてるパトリシアちゃんも可愛いけど、いつも通りに元気なパトリシアちゃんは輝いてて、おじさんは良いと思います。スキップしてスカートからチラっと見える生足とヒモパンのヒモとか良いと思います!
チラリズムを堪能した後、お家に入り自室の方へ向かっていった。
自室へ向かうため廊下を歩いていると、ある部屋の前から声が聞こえて来た。
「……起きるっスよ! アキラ姉帰ってきたっスよ!」
この声と喋り方はカティアちゃんかな? なんだろ? 俺に用事かな?
不思議に思っていると、近くにある部屋のドアが勢いよく開かれた。中から出て来たのはエステルちゃんとカティアちゃんだった。
「バカアキラっ!」
そう叫ぶとエステルちゃんは勢いよく飛び着いてきた。
うおっ! いきなり飛びついて来てどうしたんだ、それに……バカって言われたような気がするけど、バカを否定できないよ! あ……でもエステルちゃん良い匂いだから、まぁいっか。
エステルちゃんの匂いを堪能しながら、二人の様子を伺う。
二人とも長いキャミソールのパジャマを着ているところを見ると、就寝しようとしていたようだ。状況がいまいちわからずにいると、カティアちゃんがこちらに目を合わし話し出す。
「いやぁ~アキラ姉すみませんね。エステルがどうしても会いたいって言ってきかないんっス。お師匠の修行は結構しんどいっスから、最近エステルはすぐ寝ちゃってたんっス」
なぜかニヤニヤしながら説明をしてくれるネコミミさん。これは嫌な予感がするぞ?
「そうだったんだ……最近俺も、帰ってくるの遅かったから、ちょうど会わなかったんだね。でも……これは一体?」
「それはっ……」
ニヤニヤ顔のネコミミさん事カティアちゃんが説明しようとすると、エステルちゃんが顔を上げて叫ぶ。
「アキラっ! デートしてたんでしょ!」
唐突な一言に固まる。そのまま続けて喋るエステルちゃん。
「きっ聞いたんだからっ! ミケがパトリシアとアキラが二人で出掛けたって! 夜に二人きりって……それにアリスが……でっデートって言ってたもん!」
胸に埋める顔を少し上げ、上目づかいで顔を赤くしながら一生懸命言ってくるエステルちゃん。可愛い。
「いや、デートじゃなくてねってちょっとまっ……!」
「いいから、こっち来なさいよ!」
説明しようとすると、エステルちゃんは問答無用で腕を取り部屋の中に入って行く。連れていかれる見た目は可憐な乙女なおじさんの後ろからニヤニヤしたカティアちゃんも続いてくる。
カティアちゃんは絶対楽しんでるね。あ……でもエステルちゃんの柔らかな可愛らしいサイズが腕に当たって……このサイズもやはり……素晴らしいですね。
エステルちゃんの可愛いらしい小山を楽しみながら中に入ってみる。この部屋はエステルちゃんとカティアちゃんが二人で泊まっているようだった。
窓際に大きなベッドが一つ置いてあり、両脇の壁には少女達の私物やら何やらがおいてあった。
俺が借りてる部屋とそんなに変わらないかな? ソファーやら衣装棚みたいなのもあるし、生活には困らなさそうね。ん? 二人の私物置き場かな? 片方綺麗に整頓されてるけど……もう片方はなかなかゴチャゴチャしてますね。
女子の部屋を物珍しく見ていると、後から入ってきたカティアちゃんが横にやってきた。
「ほらぁ~エステル、綺麗にかたづけしないから、だらしないとこアキラ姉に見られちゃってるっスよ」
「うっうるさいわね。アキラあのね、最近はちょっと……忙しかったからちょっと……散らかってるけど……いつもはもっと綺麗なんだからね!」
カティアちゃんに言われると、エステルちゃんは恥ずかしいのかオロオロしていたが、最後はいつも通りになっていたので問題ないだろう。
へぇ~意外にもカティアちゃんの方が綺麗に整理出来てるんだな。エステルちゃんはいつもと違ってだらしない感じも、なんだか新鮮でいいな……ん? なんだこれ?
そんな二人の会話を聞きながらエステルちゃんの私物を見ていると、黒い一枚の布がベッドと床の間に落ちていた。それを手に取ってみてみる。
それはだいぶエステルちゃんには大人びたデザインをした、レース付きの下着だった、てか黒のTバックだった。
「ちょっちょっとアキラぁ! それは見ちゃ駄目なの!」
手に持っていた黒い布もとい、黒Tバックを奪い取るエステルちゃん。その顔は真っ赤だった。
「いいじゃないっスかぁ、せっかくエミリーさんが選んでくれた奴っスよ? それに……アキラ姉に見せたかったんじゃないっスか?」
ケラケラ笑いながらそう言うカティアちゃん。
「もう! カティアはちょっと黙ってなさいよ! アキラもこっち見ないであっち見てなさいよ……」
エステルちゃんがプンプンし始めたのでカティアちゃんの私物が置いてある方に体を向けた。エステルちゃんは後ろでお片づけを頑張っているようだ。
「でもあれだね、カティアちゃんって結構しっかりしてるんだね」
「アキラ姉ひどいっスよぉ、普段どんなイメージなんっスか自分は……」
カティアちゃんのネコミミがペタンとなっていた。可愛らしいと思い頭を撫でてみる。
ビクっと一瞬体が反応していたカティアちゃんだったが、耳に触れないように撫でていると、徐々にネコミミがいつも通りに戻っていった。
あんまりネコミミの部分触られるの好きじゃなさそうだったからな、頭だけなら問題ないっしょ。
女の子の頭を撫でることについての問題を忘れているおじさんであった。
そんな事をしていると、片づけが終わったのかエステルちゃんが声をかけてくる。
「アキラ終わったわよって……あんた達なにしてんのよ……」
「ナニモシテマセン」
カティアちゃんの頭から手を離す。
「そっそうっスよ! なんもないっスよ!」
少し焦った様子のカティアちゃん。ちょっと焦っているカティアちゃんもなかなかいいもんだなと思っていると、エステルちゃんはベッドの上に寝転ぶ。エステルちゃんは手でシーツをポンポン叩いていた。
不思議そうにその光景を見ているとエステルちゃんが伝えてくる。
「早くアキラも着替えてこっち来なさいよ」
エステルちゃんはどうやら一緒に寝てほしいようだ。
う、うーん。大丈夫なのこれ? でもあれか、カティアちゃんも一緒に寝るし、セーフっしょ。いやセーフっしょ?
自分に言い訳をしつつ、じっと見つめてくるエステルちゃんの重圧に耐えられないので早々と着替え始めた。空間収納魔法で中に居れていたパジャマを取り出し着替える。その間はなんだか二人がこっちをすごく見てる気がしたが気のせいだろう。
着替えを終えベッドの上に横になってみた。甘い香りがしてくる。
すごい女の子の良い匂いするんだけど、おじさんのベッドからはお父さんの匂いみたいなのしかしなかったのに……。あ、でも今はおじさんも女の子だからきっと良い匂いなはず、じゃないとヘコム。
寝っ転がっていると、エステルちゃんが肩肘を付きながら顔を覗いてくる。気づけばカティアちゃんも隣で一緒に寝っ転がっていた。
「それで……アキラどうゆうことなの?」
エステルちゃんは笑顔で聞いてくるが、明らかに怒っている雰囲気だ。
「いやね、ミケとアリスちゃんがなんて言ったのか分からないけど、パトリシアちゃんの事は……」
誤解を解くために説明をしていく。けして言い訳ではない。
「そっそう……良かった……まぁいいわ! 許してあげる!」
俺の手を握りながら伝えてくるエステルちゃん。
よく分からないが、エステルちゃんに許してもらえたので誤解は解けたようだ。
「いやぁ~アキラ姉は相変わらずっスね」
笑いながらそう言ってくるカティアちゃん。俺の腕にシッポを絡ませながら。
この人は絶対面白がってただけだ。
「いや、カティアちゃん分かってて楽しんでたでしょ?」
「そんなことないっスよぉ~」
ニコニコしながら答えるカティアちゃん。可愛いからまぁいいか。
「ふぁぁ……」
エステルちゃんが眠たそうにあくびをしている。小さい手で口を隠しながら。
ずいぶんとまぁ、可愛らしいあくびですね。最近忙しいから疲れてるのに頑張って起きててくれたんだもんね。
「エステルちゃん疲れてるなら、もうそろそろ寝たほうがいいよ?」
そう言われるとエステルちゃんは俺の腕を移動させ、抱きしめ始めた。
「あのエステルちゃん?」
「ん……? これぐらい……いいじゃないの……バカアキラ……」
眠いのかエステルちゃんは徐々に声が小さくなっていった。その声は甘えている様子だ。エステルちゃんはそのまま可愛らしい寝息をし始めたので大人しくする。
エステルちゃんも疲れてるんだな、もう寝ちゃってるもん。さてと……おじさんも寝ようかな、カティアちゃんも寝るだろうし。
そう思いカティアちゃんの方に顔を向けるとカティアちゃんも眠そうだ。
「エステルちゃんも寝ちゃったし、俺達もそろそろ寝る?」
「そうっスねぇ、面白い子も寝ちゃったっすからねぇ」
背筋を伸ばしながらそう言うカティアちゃん。腕に絡むシッポが顔の近くまで来た。
カティアちゃん何気なくひどい事言ってない? 二人とも仲良しだからいいか。
そんな事を考えながら顔の近くまで来ていた尻尾を触ってみる。ふわふわで気持ちがいいなこれ。
「ちょっちょ……アキラ姉……」
「あっと……ごめんね。ふわふわしててついつい……嫌だった?」
少しムスっとしているカティアちゃん。
「アキラ姉なら……別に嫌とかじゃないっスよ。でも触られると、なんと言うか変な感じがするんっスよ」
なるほど。たしか猫の尻尾は沢山骨やら神経があるから敏感だった気がする。
「そうだったんだ、ごめんね。でも……ちょっと耳触らしてよ」
「ちょっとアキラ姉……今の流れでなんでそうなるんっスか……」
ジト目で見つめてくるカティアちゃん。たまんねぇっすわ。
「しっぽ触っちゃたし、こうね……大丈夫かなって?」
自分でもよくわからない事を言い出し始めた。それは若干眠いからしょうがない事。
この体は眠かったり疲れたりすると、どうも思考が緩くなっていく気がするな。でもまぁ……いっか!
眠気でふわふわし始めていると、カティアちゃんはため息をついて俺の空いている腕を動かし始めた。
「しょうがないっスね……ちゃんと優しく扱わないと駄目っスよ……」
そう言ってカティアちゃんは移動した腕に頭を乗せた。
急に腕枕が始まって驚いたが、ネコミミを触っていいとお許しが出たので気にしない事にする。
ゆっくりとカティアちゃんのネコミミを触るとピクっと動いている。
ほんとに猫の耳みたいだな……でも、このサイズになるとふわふわ感が凄くて癒される。
少しづつ慣らすように触っていくと、慣れて来たのか結構ダイレクトに触っても大丈夫になってきた。
結構触ってるのにカティアちゃん静かだし、案外大丈夫なのかな?
カティアちゃんの顔に目をやる。
「ん……あっ……」
カティアちゃんは顔を真っ赤にしながら口を手で押さえていた。
カティアちゃんは声を出さないように口を両手で押さえていたが、少し漏れている声と姿がとても妖艶だ。
「ごっごめん、大丈夫?」
焦ってネコミミを触っていた手の動きを止める。
「だっだいじょうぶ……だいじょうぶだよ……」
少し呼吸が荒くなりながらも伝えてくれたカティアちゃん。
これはやべぇやつだ。すごいドキドキしてきた、カティアちゃん口調も変わってるし。どうしよ……どうしよう!
おじさんが固まっていると、カティアちゃんは落ち着いてきたのか呼吸も穏やかになっていく。
「ふぅ……もう満足したっスか? 耳は触られるとムズムズして変な感じで、ちょっと苦手っス」
どうやらおじさんのふわふわな時間は終わりのようだ。
「あっありがとうね。またなんか……機会がありましたらお願いします」
「……考えとくっス……」
妙な空気になってしまい、お互いに無言になる。
終わった事もあり腕を動かそうとすると、ガシっとカティアちゃんに捕まれる。
「このままで……いいっス……」
そう言いながら捕まえた俺の腕を移動し、手のひらを顔にくっつけ始めるカティアちゃん。
「……手のひら好きなの?」
「こうしてると落ち着くっス……それにアキラ姉のだし……」
答えるカティアちゃんは眠くなってきたのか、ゆっくりと話している。
手のひらに感じるカティアちゃんの体温と吐く息の温度を感じていると、隣で気持ちよさそうに眠るエステルちゃんの体温も温かくて心地よく、気づかないうちに眠りへと落ちて行った。




