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少女でリスタート  作者: 亀山
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41 森の大きな木①

「アキラおはよう! もう大丈夫そう?」


 お家の前で待っていた、パトリシアちゃんに声をかけられた。


「あれ? パトリシアちゃん迎えに来てくれたの? 体の方は、もう大丈夫かな? 今朝はすんなり起きれたしね」


「お? 大丈夫そうなら良かったよ」


 どうやらパトリシアちゃんは心配で、迎えに来てくれたようだ。


 今朝はおじさんスッキリ起きれたしね。でも……起きたらアリスちゃんとミケがいつの間にか一緒に寝てたからビックリしちゃったけどね。いやぁ……おじさん朝から乙女達の匂いが嗅げて幸せでした。


 今朝は昨日のけだるさはなくなり。いつもより体調が良い気がするくらいだった。それに起きてみると、両サイドでアリスちゃんとミケに抱きしめられながら寝ていたようで、朝から幸せな気持ちになれた。


「ふふっ、良かったねっアキラ君。心配してくれる人は沢山いるんだよ?」


 俺の後ろに居たミケがそっと寄り添いながら言ってくる。


「そうだねぇ……なんか、嬉しいね」


 こっちに来て不安だらけだったが、今はこうしてお家もあり、アリスちゃんやミケ、パトリシアちゃんなど他の人達にも優しくして貰い、とても嬉しく思う。


 最初はどうなる事かと思ったけど、色んな人の助けてなんとかなってるしね。おじさんも頑張って恩を返さないと……。


 少し黄昏ていると横からアリスちゃんが勢いよく抱き着いてくる。


「おーアキラはモテモテで羨ましいねぇ」


 ニヤニヤしながらパトリシアちゃんが言ってきた。パトリシアちゃんに冷やかしを受けた後、みんなで冒険者ギルドへ向かっていった。


「おはようございますアキラさん。今日は大丈夫そうですか? あれ? パトリシアちゃんも一緒だったんですか?」


 冒険者ギルドの中に入った後、依頼が書かれている掲示板の前に向かうと、一足先に来ていたシエナちゃんが依頼を物色しているところだった。


「うん、パトリシアちゃんは迎えに来てくれたんだよね。心配かけさせちゃってごめんね。もう俺は大丈夫だから安心してね!」


 そう言った俺を見つめるシエナちゃん。シエナちゃんは見惚れているようだった。


「シエナちゃんどうしたの? 俺になんか付いてた?」


「いっいえ! なんだかアキラさんがその……前より艶やかな感じがしまして……」


 シエナちゃんは恥ずかしそうに俯きそう言った。


 なんだろ? おじさん調子はいいけどいつも通りだよ? 見た目は可憐な乙女だけど、中身残念なおじさんだからな……。艶やかなおじさんって結構やばい気がする。


「ほらほら、イチャイチャしてないで依頼受けようか。これなんて良いと思うんだよね」


 俺と話していたシエナちゃんに、茶化したようにパトリシアちゃんが言ってくる。


「いっイチャイチャしてないもん! もう! パトリシアちゃんってば……」


 茶化されて照れているシエナちゃん。可愛らしい。


 そんな和やかな雰囲気のまま、パトリシアちゃんが言ってきた依頼を受け、みんなで出発する。


「それでエントってどんな魔物なの?」


 森の中を歩いているパトリシアちゃんに質問する。


「うーん……魔物って言うかなんて言うかねぇ……」


 パトリシアちゃんは大きな槍を背中にしょいながら、顎に手をやり悩んでいる。そうしていると横からシエナちゃんが会話に入ってきた。


「正確には精霊の一種ですかね? 精霊や魔物にも色々いますしね。ちなみにエントは大きな木の様な見た目です。人には害も脅威もありませんからねぇ」


 話しを聞くかぎりだと、人に害は特にないらしく、むしろ森の管理をしていると言われているくらいだった。


「そうなんだ。でも、なんでそのエントの依頼がEランクなの? 内容的には簡単そうなのに……」


 依頼内容はエントの実を集めてくる事だった。収集系の依頼になっている。


「簡単っちゃ簡単なんだけど、場所が場所だから結構危ないんだぞぉ。人を襲う種も出てくるかもしれないんだからさぁ。はぁ~ワイルドベアとか出ないかなぁ……」


 そう言うパトリシアちゃんの表情は、魔物が出てくる事に期待しているようだった。


 え? 大丈夫なの? ワイルドな熊さんって大丈夫なの? おじさんには荷が重いんじゃないの?


「あっ! この子なんてどうでしょうか? 少し傷んだところもあるようですし」


 不安になっていると、シエナちゃんが大きめの木を調べながら言ってくる。


「あたしもそれで良いと思うぞ! さぁって、スプライトを捕まえないと! アキラ、さっき渡した籠出してもらってもいい?」


 パトリシアちゃんに言われ、空間収納魔法から籠を取り出す。籠の大きさはコンビニ等にある物と同じくらいだった。


「ほいっと、それでこれ使ってどうするの?」


「ふっふっふ……まぁ見てれば分かるさ」


 みんなに籠を渡していると、意味深げにパトリシアちゃんは言ってくる。


 なんなんだろ? てかスプライトってどんな奴なんだろうな。精霊らしいけど、捕まえられんのかな?


「あっ! アキラおねえちゃん、スプライトさん見つけたよ!」


 エントの木から離れた所を探していると、アリスちゃんがスプライトを見つけたようだ。


「アリスちゃん、えらいねぇー。ん? あれがスプライトなのか?」


 アリスちゃんの頭を撫でつつ、見つかったスプライトを観察する。


 随分とまぁ小さいんだな……。いっちょまえに服見たいなの来てるんだな。あっでも、結構可愛い顔してるかもな。


 スプライトは人のような形で、全体的に丸く二足歩行だった。大きさは子猫を立たせたくらいだ。肌? の色は真っ白で、植物で出来ているであろう緑色のジャケット着ている。目は丸い点が二個あるだけで、頭の上には葉っぱが生えていた。


「そうそう、意外と可愛くて好きなんだよね。じゃぁ捕まえ方教えるぞっ」


 スプライトを観察していると、横に居たパトリシアちゃんがそう言ってスプライトに近づいていく。スプライトもパトリシアちゃんに気づいたのか、じっとパトリシアちゃんを見ているようだった。


「よっと。はい、じゃあお手て上げようねぇ~。そうそう~えらいえらい~」


 スプライトの近くに行くと、パトリシアちゃんは籠を地面に置いた後、優しい口調でそう言う。


 スプライトは言葉が分かるのか、両腕をパッと上げてバンザイのポーズをしている。バンザイしているスプライトを優しく両手で抱き上げたパトリシアちゃんは、籠に移動させていた。


 おお! なんか可愛いな! 癒し系の生き物な気がする。それに、パトリシアちゃんの口調も可愛らしくて、おじさんは癒されてます。


「どう? アキラ、簡単でしょ? それに……可愛いでしょ?」


 ニコニコしながら籠に入ったスプライトの頭を撫でながら言うパトリシアちゃん。


「うん、思ったより可愛いいねぇ。あと、パトリシアちゃんも可愛らしかったよ」


「ばっばか、やっやめろよぉ! いきなり変な事言っちゃだめだぞぉ……」


 パトリシアちゃんの口調は男の子ぽかったが、恥じらう仕草はとても女の子だ。言ってよかったと思うおじさんだった。


 パトリシアちゃんもなんだかんだ、乙女なんだよね。可愛い物とか好きだしね、褒めた時の照れる仕草とか可愛らしくて素敵です。


 恥じらうパトリシアちゃんを見ていると、視線を感じ振り返る。シエナちゃんがジト目で見つめていた。


「じゃっじゃあ、他の子達も探してみるね! ありがとうね、パトリシアちゃん!」


「うっうん。わかった……」


 俯き気味で頬を赤くするパトリシアちゃんと別れ、他のスプライトを探しに行くことにした。


 やべぇな……シエナちゃんにすごく見られてた気がする……。気を付けないと、初めてのPTがえらい事になっちまう……。


 少し嫌な汗をかいた気がするが、スプライトを探し森の中を探索する。


 スプライトちゃんに癒してもらおっと……。

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