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少女でリスタート  作者: 亀山
40/51

40 ちょっと違う時もある。

「PTを組んだのですか? おめでとうございます、これで色々な依頼を受けやすくなりますね」


 リーゼちゃんと一緒にベンチに座りながら話していた。


 シエナちゃん達との話し合いもある程度終わったので、お家に帰って食事やお風呂を済ませた後、寝る前に裏庭で少しゆっくりしようと思い向かう。裏庭に着くと、リーゼちゃんが居たので今日の話をしているところだ。


「そうなんだけどねぇ……。俺は初心者だからね、チームワークとか役割とかも分からないし。それにねぇ……」


 リーゼちゃんと話しながら、シエナちゃんとパトリシアちゃんの関係を思い出して少し不安になる。少し考え込んでいると、横に座って居るリーゼちゃんが顔を覗かせてきた。


「どうしました? 何か不安な事があるのでしたら……私が相談にのりますよ?」


 まだ少し髪が濡れているリーゼちゃんが、笑顔で言ってくれた。


 リーゼちゃんはやっぱり良い子だねぇ。こんなおじさんの事、心配してくれるんだもん。お風呂入るの遅かったのかな? 髪が少し濡れてるな……すごく良い匂いがしますね。


 お風呂上りなのか石鹸の匂いがするリーゼちゃんを堪能しつつ、シエナちゃんとパトリシアちゃんの話をする。


「って感じなんだけど、どう思う? なんも起らなければいいんだけどさ」


「そうですねぇ……。話を聞く限りだと、シエナさんとの仲もアキラさんは良さそうですからね、大丈夫だと思いますよ? それに……私もシエナさんの気持ち分かりますし……」


 話を聞いたリーゼちゃんは、少し考えた後に答えてくれた。最後の方は星空を見上げながら呟いていた。


 リーゼちゃんが大丈夫だと思うなら、多分大丈夫だろ。まぁ悩んでてもしかたないし、おじさんがんばるよ!


 少し寂しそうな雰囲気で、星空を見ているリーゼちゃんはいつもに増して可憐な少女に見える。見つめている俺に気づいたリーゼちゃんはモジモジしながら、手ぐしで髪を整えていた。


「どっどうしました? 何か変でしょうか?」


「ん? 星空を見上げているリーゼちゃんが可愛いなぁって」


 気恥ずかしそうにするリーゼちゃんを見ていると、イタズラしたくなった俺はそう伝えた。


「かっ可愛い……もう! アキラさん、そうゆう冗談はいけませんよ! ほっほら、もう遅いですしそろそろ寝ましょう!」


 焦りながらプンプンするリーゼちゃん。可愛らしくて素敵です。


「冗談じゃないんだけどねぇ……。でもまぁ、そろそろ寝ないと朝キツイからね。それに……少し寒くなってきたね。はい、リーゼちゃん」


 リーゼちゃんの反応を見て満足したのでベンチから立ち上がり、まだ座って居るリーゼちゃんに手を差し出す。


「もう……本当に……。アキラさんのそうゆうところ……ズルイですよ……」


 顔を赤くしながら手を取るリーゼちゃん。外で話していた為か、リーゼちゃんの手は少し冷たくなっていた。


 外で結構長く話してたから手が冷えちゃったかな? 季節的には春より少し暖かいくらいの気候だけど、夜はちょっと寒いしね。この地域はこれから徐々に温かくなるらしいからねぇ……夏はやっぱり……水着が見れるのかな? おじさん期待しちゃう!


 ジョイスさんから教えて貰った事を思い出しながらリーゼちゃんの手を取り、立たせてあげる。


「あの……アキラさん? もう立ちましたよ?」


「ん? リーゼちゃん手が冷えちゃったかなって思ったからさ。あげた指輪、ちゃんと着けてくれてるんだね……。ちょっとの距離だけど、このまま部屋まで送ってくよ」


「えっと、その……お願いします……。アキラさんから貰った指輪は……私にとって大事な物ですから……」


 返事をするリーゼちゃん。手はギュっと握られていた。

 

 リーゼちゃんの指には、プレゼントした銀色の指輪がつけられていた。その手を握りながら部屋に向かって行く。リーゼちゃんは俯きながら俺に手を引かれていた。


「今日のアキラさんは……なんだかいつもより、その……積極的ですね……」


 声をかけられ振り向くと、リーゼちゃんは頬を染めて俯き加減で聞いてきた。


「そうかな? うーん……今日は満月だし、俺も眠いからじゃないかな? あっ嫌だったらごめんね? 手離す?」


「いえっ! こっこのままで……大丈夫です」


 リーゼちゃんは嫌ではないらしいのでこのまま手を繋ぎながら歩いていく。


 たしかに……なんだか、いつもより恥ずかしい感じがしないような? 満月で重力的な問題なのかな? いやでも……眠くなってきてフワフワしてる感じだからかな……。うーん、分からん。


 昼間の訓練とシエナちゃんへの気疲れで、深く考えずに行動してしまっているようだ。でも……ほんと眠くなってきたな。


 みんなはもう寝ているようで、廊下は静寂に包まれいる。その中をリーゼちゃんと手を握り進んで行くと、気づけばリーゼちゃんの部屋の前だった。


「はい、着いたよリーゼちゃん……リーゼちゃん?」


「はっはい! ありがとうございます……えっと……手も温まりました……」


 名残惜しそうに手を離していくリーゼちゃん。


「今日は遅くまでありがとうね。また何かあったらよろしくね」


 リーゼちゃんの頭を撫でながら伝える。リーゼちゃんは顔を赤くしながら頷いていた。


 リーゼちゃんを部屋に送った後、自分の部屋に戻り、ベッドに倒れるように寝転がる。


 うーん、着替えないとなぁ……。でもねむいなぁ……。


 そのまま意識が落ちてゆく。


「……ねぇちゃん……アキラおねえちゃん」


 誰かが声をかけながら、体を揺すっている。


「アリスちゃん……? おはよう? もう朝なんだね」


 気が付けば朝だった。着替えも出来づに眠ってしまったようだ。


「もうアキラおねえちゃん、お着換えしなきゃだめだよ?」


 アリスちゃんが呆れたように言ってくる。 


「そうだね、ごめんねぇ。ちょっと着替えるね」


 体に少し倦怠感を感じつつ、朝の準備を終え、ユセフさんのお家へ向かって行った。


「って感じだな。あとはそうだなぁ……ん? アキラ大丈夫か?」


「アキラさん大丈夫ですか? 体の調子が良くないんですか?」


 ユセフさんとシエナちゃんが心配そうに聞いてくる。パトリシアちゃんも心配そうにこちらを見ていた。


 昨日の相談で、ユセフさんと二人とも知り合いである事を知ったので、みんなで話を聞いてもらいに来ていた。PTを組んだ事をユセフさんに伝えると、ユセフさんは役割やコツなどの、PTで大事なことを話してくれていたところだ。


「うーん……ごめんねユセフさん。なんだか昨日からやたら眠いんだよね。大事な話してくれてるのに……」


 裏庭のテラスで話を聞いていたが、俺はテーブルに突っ伏してしまっている。


「なんだアキラ、お前もしかして女の……ちょっと待ってろ。ユナ、ちょっといいか?」


 テーブルで項垂れながら話をする俺を見て、ユセフさんは話しの途中でユナさんの方へと向かって行く。遠くで話している二人を突っ伏しながら見ていると、ユナさんの表情がどんどん明るくなっていった。


「ふふっ、アキラちゃんもしかして、初めてなのかしらね。あなたもたまぁ~には気がきくじゃないの」


 ユナさんは、テーブルで突っ伏している俺の頭を撫でながら伝えてくる。


 ん? 初めてってなんだ? うーん……しかし、だるいし……ねむい……。


「アキラおねえちゃん……だいじょうぶ……?」


 キアナちゃんが心配そうに伝えてくる


「そうよねぇ初めての時は倦怠感が凄い子もいたわねぇ……。とりあえず、ここじゃあれですし。向こうのお部屋で休みながらお話ししましょうね」


 そうユナさんが言った後、ユナさんは俺の事をお姫様抱っこする。そのままキアナちゃんも一緒にお家の中に入って行った。


 ユナさんは力持ちだねぇ……。そう思っているとユナさんに声をかけられる。


「はい、アキラちゃんゆっくりお休みしましょうね」


 ユナさんはベッドのある部屋に俺を連れて行くと、そのまま寝かせてくれる。


「すみませんユナさん……それにキアナちゃんも心配かけちゃってごめんね」


 ベッドで横になっていた俺の近くに居る、キアナちゃんの頭を撫でながら伝える。その光景を優しい表情で見ていたユナさんが、俺に話しかけてくる。


「ふふっ、アキラちゃん初めてだから分からないわよね。それはね……」


 どうやら俺は本当に女の子になってしまったようだ。


 なるほど……月一回くるあの日ってやつですか。ほんと……おじさんは可憐な乙女になっちゃったんだな。いやぁでも……ほんと眠いな。


 ユナさんが教えてくれた事だが、この世界ではある年頃になると起きる女性特有の現象とのこと。そしてこの時は、体に何か起きるわけではない。ただ普段より魔力や感情の起伏が高まりやすくなり、子供も出来やすくなるようだ。


 でも良かったな……色々出るわけじゃなくて。おじさんの居た世界とは違って体にあるマナが循環して、なんとかしてくれるらしいからね。魔法とかある世界だし、それにケモミミさんとかも居る時点で生態系もちょっと違うんだろうな。


「初めてだと困惑するわよねぇ……でも、大丈夫よ。最初は少し辛いかもしれないけれど、回数を重ねれば楽になってくるから安心してね? ふふっ、むしろマナが高まって強くなっちゃんだから」


 優しく微笑みを浮かべて、俺の頭を撫でながらユナさんはそう言ってくれた。


 幼かった頃に亡くした母親を思い出し、少し寂しい気持ちになったが、ユナさんの撫でてくれている手の温かさを感じて穏やかな気持ちになっていった。気が付くと同じベッドでキアナちゃんが添い寝している。どうやらそのまま少し寝てしまったらしい。俺が体を起こすとキアナちゃんも起きたようだ。


「うーん……アキラおねえちゃん……大丈夫?」


 眠そうな目をこすりながら聞いてくるキアナちゃん。


「おはようキアナちゃん。心配かけちゃってごめんね。寝たら結構楽になったから、もう大丈夫だよ」


 まだ少し寝ぼけているキアナちゃん。その頭を撫でながら話す。キアナちゃんがちゃんと目を覚ました後、みんなの居る裏庭へと戻って行った。


「あ! アキラおねえちゃんおはよう! もう眠たくないの?」


 キアナちゃんと一緒に裏にへと戻ると、アリスちゃんがそう言いながら抱き着いてくる。


「うん、もう大丈夫かな? ありがとうねアリスちゃん」


 アリスちゃんの頭を撫でていると、その様子を見ていたミケと目が合う。ミケは優しく微笑んでいる。


 なんとなくミケは分かってたみたいだねぇ。おじさん楽になったけど気を抜くとまた寝ちゃいそうだから気を付けないと。


 その後は、なんとかユセフさんの話しを聞くことができた。俺の体調も明日には良くなってると思うと、ユナさんが言ってくれたので、明日から依頼を受けることになった。


「まぁアキラも今日はゆっくり休んどけよ」


「ん、ユセフさんにも心配かけさせちゃってごめんね」


 帰り際にユセフさんにそう言われ謝罪すると、気にするなと言ってくれた。


 帰宅すると早々にお風呂や食事を済ませ、早めに自分のベッドで横になる。


 うーん……明日には楽になってればいいんだけどなぁ。ほんとに……女の子なんだなぁ……。


 そう思いながら、そのまま眠りに落ちていった。

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