37 練習と少女達②
「ミケちゃん可愛いね!」
アリスちゃんが洋装の恰好して歩くミケに言う。
「アリスちゃんありがとうねっ! アキラ君……ミケ似合ってるかな?」
「うん、すごく似合ってるよ。またギルドで依頼をこなしたら、新し洋服今度俺がプレゼントするよ」
それを聞いて飛び跳ねて俺に抱き着くミケ、そしてなぜかアリスちゃんも。
ミケは俺の事を追いかけてこっちに来てくれたらしいしね。ミケには色々とお世話になってるし、なんたって洋装のミケも可愛らしいからね!
和やかな空気でミケとアリスちゃんと仲良く手をつなぎ、エミリーさんのお店に向かっていた。
エミリーさんのお店に行く途中、冒険者ギルドの中を通っていくと。シュルツさんに声を掛けられた。
「よう、アキラ。訓練はどうだ? まぁアキラなら大丈夫だろう。そうだ、すまないが後で俺の所に寄ってくれないか?」
何か用があるとの事なので、買い物が終わったら行くと伝えておく。シュルツさんと別れてエミリーさんのお店の前に行くと、三人はもう着いていたようだ。
「アキラ遅いわよ! さっさと中に入るわよ!」
待ちくたびれていたのかプンプンしているエステルちゃん。そんなエステルちゃんも可愛い。
「エステルちゃん落ち着いて。アキラさんすみません、エステルちゃんは楽しみなんですよ。もちろんわたしもですが……」
リーゼちゃんはエステルちゃんを落ち着かせながらそう言ってくる。自分も楽しみだと言いながら頬を染めていくリーゼちゃん。そんなリーゼちゃんも可愛い。
「エステル~だから早いって言ったじゃなっスかぁ。アキラ姉も来た事ですし! 行きますか!」
カティアちゃんそう口では言っているが、ウキウキの様子だ。そんなカティアちゃんも可愛い。
女子を待たせてしまって申し訳ないと思い、さっそくお店に入っていく。みんながそれぞれお店の中を物色していると、リーゼちゃんが近づいてきた。
「アキラさん……あのですね……。アキラさんにアクセサリーを選んで欲しいなぁって……」
リーゼちゃんは気恥ずかしそうに言ってくる。
「うん? 別にいいけど、なんでもいいの?」
リーゼちゃんに聞いてみると俯きながら頷いた。
うーん……リーゼちゃんのアクセサリーか。リーゼちゃんは普段からローブ着てるからなぁ……うーん。これでも大丈夫かな?
商品の中から一つ銀色の可愛らしい花の模様が刻まれた指輪を取る。
「リーゼちゃん、ちょっと右手貸してもらっていい?」
そう言ってリーゼちゃんの右手を取るとすこしビクッと動いた。少し驚かせてしまったようだ。
「こっちはちょっとキツイかな? この指だと丁度良さそうだけど大丈夫?」
確認しながら指輪をつけてあげるていると、リーゼちゃんは俯いたまま首を立てに動かすだけだった。
大丈夫かな? なんか気に入らなかったのかな? おじさんのセンスはもしかしてダサイの?
心配になっていると、リーゼちゃんが口を開く。
「あの……これがいいです……。そのですね……よろしければ、もう一度はめて貰っていいですか?」
リーゼちゃんがもう一度指にはめて欲しいと言うので、薬指にはめてあげる。
何だろ……? この世界でも薬指に付ける意味とかあったのかな? おじさん文化違うと思って安心してたらやらかしたのか?
心配になってリーゼちゃんを見る。俯き気味だったので表情が分かりにくいが、頬を赤くしながらニヤニヤしているように見えた。
「リーゼちゃん? 大丈夫?」
「ひゃいっ! 大丈夫ですよ! こっこれにします……」
リーゼちゃんが心配になって声を掛けると驚いたのかあわあわしている。可愛いので問題ない。
そして今日も店番をしているニルに、料金を確認しに行った。
「なるほど……。まだ買い物続けるから後でまとめてお金渡すのでいい?」
隣に居るリーゼちゃんの指に、はめられた指輪をニルに見せると料金を黒板に書いて教えてくれた。料金はまとめて支払でいいか聞いたところ、頷いて居たので大丈夫だろう。
リーゼちゃんは、はめらた指輪を大切そうに撫でている。そうしているとカティアちゃんが横から顔を出してきた。
「リーゼは指輪にしたんっスね。ジャサントの花模様で可愛いらしくてイイっスねぇ」
「ジャサントって言う花なんだね。俺あんまり花とか分からないけどリーゼちゃんに似合うかなって思ったんだよね。カティアちゃんがそう言うなら大丈夫そうだね」
カティアちゃんにそう言ってくれたので、安心しながら俺は伝える。それを聞いたカティアちゃんはリーゼちゃんを見ながらニヤニヤしていた。
「アキラ姉が選んだんっスねぇ……。リーゼ良かったじゃないっスか!」
カティアちゃんに言われると、リーゼちゃんは顔を赤くしてモジモジしている。
なんかまずったか? いやでも……可愛いはずだよな……。
「じゃあ次は自分っスね! アキラ姉に選んで欲しいっス!」
二人の様子を疑問に思っていると、カティアちゃんがそう言ってきたので、アクセサリーの商品棚に向かっていった。
「カティアちゃんも俺が選んでいいの? どれでも大丈夫?」
「大丈夫っスよ! アキラ姉が選んでくれたものなら、なんでも嬉しいっスよ」
カティアちゃんに聞いてみると、にっこり笑顔で答えてくれた。どれにするか迷いながらカティアちゃんを横目でみるとネコ耳がいつもよりピンっと伸びている気がした。
うーん……カティアちゃんどれがいいかなぁ。ヘアピンも可愛いけど、なんかほかにないかな? おっ、これ良さそうだな。
商品の中から一つ細い銀色の腕輪を取る。その腕輪は、葉の模様が刻まていて、真ん中に花の形が刻まている。花の形は丸みをおびた花弁が四枚重なるようになっていた。
「カティアちゃんこれどうかな? 邪魔になりにくそうだし、カティアちゃんに似合いそうだしね」
「いいっスねぇ。これなら何処でもつけていけるっスよ! 花も……可愛いですし」
カティアちゃんに腕輪を見せると気に入ってもらえたようだ。最後の方は少し口調が変わっていたが大丈夫だろう。
この腕輪で大丈夫そうなので、ニルの所に値段を聞きに行こうとすると、カティアちゃんに服の袖を引っ張られた。
「あのアキラ姉……。変なお願いなんっスけど……この腕輪つけて貰ってもいいっスか?」
いつも元気なカティアちゃんが、今はしおらしく静かに伝えてくる。
贈り物はつけてあげる文化なのかな? カティアちゃんはいつも活発だけど、そんな感じで言われるとやっぱりカティアちゃんも可憐な乙女なんだね。
そう思いながら俺はカティアちゃんに着けてあげる。
「アキラ姉ありがとう! 大事にするっスね!」
元気なカティアちゃんに戻ったようだ。元気になったカティアちゃんと一緒にニルの所へ向かって行き、ニルに腕輪を見せると、なぜかニルが俺の事をじっと見ているように思えた。
どうした? なんかニルの目が冷たいような気がするが……?
全体的に丸いゴーレムのニルは可愛らしく、その目も可愛らしい作りだったが、俺の事を見る目は厳しいきがした。
不思議に思っているとお店の中をうろうろしていたアリスちゃんがやってくる。
「カティアちゃんは腕輪なんだねぇ。わぁーファレノプシスのお花だぁ。でもそのお花ってたしか……」
「ほっほらぁ! アリスちゃん、飴買ってあげるっスよ!」
アリスちゃんがお花の事を話そうとすると、後ろからカティアちゃんが慌てた様子でアリスちゃんの向きを変え、飴が置いてある方に連れて行った。
毒があるやつとかじゃないよね? 大丈夫だよね? 大丈夫なやつだよね?
カティアちゃんが慌て居たので心配になっていると、近くにエステルちゃんが立って俺の様子をうかがってるようだ。
「エステルちゃんどうしたの? 何かいいものみつかった?」
「ふんっ! 私の方がセンスはいいのはわかってるけど、今日は……わたしもアキラに……選んでほしいかなって……」
最初の勢いがどんどん弱弱しくなるエステルちゃん。可愛らしい。そんな可愛らしくなっているエステルちゃんを連れてアクセサリーを選び始めた。
エステルちゃんはどれが似合うかな? さっき見てた時に見つけたこれがいいかな?
そう思い、銀色のペンダントを手に取る。
銀色のペンダントにはバラに似た花が付いていて、その花の真ん中にエステルちゃんの目の色と似た赤い水晶が付いていた。
「これなんていいと思うんだけど? エステルちゃんに似合うと思うんだ」
「わぁ……いっ良いんじゃない? アキラにしては中々センスあると思うわよ?」
エステルちゃんにも気に入ってもらえたようだ。安心した俺はそのままエステルちゃんに着けようとした。
「ほえ?」
エステルちゃんから可愛らしい声が漏れる。
「ん? ちょっとこのままでいてね? 今着けるから」
エステルちゃんはこちらを向いていたので、前からつけようとしたところ、抱きしめるような格好になってしまっていた。
なんか今可愛い声聞いたような? てか、ペンダントって着けるの難しいな。なかなかうまく着けれないや。
あまりペンダントを付けたことがなかった俺は少々時間が、かかってしまう。俺が手間取っていると、静かになっていたエステルちゃんが両手を俺の腰に回してくる。
やばいな……なんかドキドキしてきちゃった。だってエステルちゃん可愛いし、良い匂いだし、サイズが丁度いいんだもん。おじさん……やばいよぉ!
興奮してしまった為か、うまくペンダントが着けてあげられない時間が増えてしまった。そのうちなんとか無事つけることが出来た。
「えっエステルちゃん? 着けるの終わったよ?」
俺の胸に顔を埋めるエステルちゃんに伝える。
「少し……もう少しだけ……このまま……」
ペンダントをつけ終えた俺も、エステルちゃんの背中に手を回す。
抱き合う二人。静かに時間だけが過ぎて行った。
「アキラ……」
俺の胸に埋まっていた顔を上げてこちらを上目遣いで見つめてくる。おじさんの限界が近い。
「二人とも仲良しだねっ! ミケも仲間に入れてねっ」
横からミケが俺とエステルちゃんに抱き着いてきた。
あっあぶねぇ……。危うくおじさんの煩悩が爆発するところだった。ミケちゃんありがとう……あ、やっぱりミケも良い匂いだな。
エステルちゃんは少しムスっとしていたが、ミケに抱きしめられていると、その表情は柔らかくなっていった。
会計の為に離れると、エステルちゃんは残念そうだった。まっまた今度ね!
ニルに少し離れた場所に居るエステルちゃんのペンダントを指さすと、今度は呆れた様子だった。
なんだろう? このろくでもない生き物を見るような目は……。
見つめられつつ代金を支払っていく。思ったより安く済んだので良かった思うおじさんであった。
買い物も終わり、みんなは買ってもらったものを見せ合いっこしているようだ。
「エステルちゃんはロサのお花のペンダントなんだねぇ。可愛いよね!」
アリスちゃんがキャッキャしながらエステルちゃんに伝えていた。そうしているとミケがすっと俺の横に来る。
「ふふっ、アキラ君。花言葉って知ってる? みんなに上げた花言葉をアリスちゃんから聞いたんだっ」
イタズラをする子供のように無邪気に言ってくるミケ。
「花言葉? ああ、なんか色々あるんだっけ? ちなみにどうゆう意味なの?」
「それはね……愛の……あふっ!」
俺が聞くと、ミケが答えようと喋るが、先ほどアクセサリーを贈った三人娘に口を押えられていた。
「アキラは気にしなくていいの!」
「そっそうです! アキラさん気にしちゃ駄目です!」
「アキラ姉! 細かい事はいいんっスよ!」
三人の必死な姿を見て、これ以上聞くのはやめようと思うおじさんであった。
やべぇな、なんか聞いちゃいけないことっぽいな……。なんかみんな必死でちょっと怖かったしな。でも喜んでもらえたようだし、おじさんも嬉しいよ。
ミケは自由になると、ニコニコしながら三人を見ていた。ミケも仲良くやってるようだ。
買い物を終えたが、俺はギルドマスターのシュルツさんに呼ばれているので、この場で三人とは別れ。シュルツさんの所へと向かっていく。
ふう……大変だったけど、みんな喜んでくれて良かったよ……。おじさんのセンスもダサくなくて本当に良かったよ……。




