30 二日酔いからの座学①
「うーん……頭痛いよう……」
目が覚めると自分のベッドではなかった。
あれ? こんなフリフリな感じのベッドじゃなかったような……。なんかぬいぐるみとかも沢山あるな。随分と可愛らしい部屋だねぇ。
そこは俺が借りている部屋とは違い、ピンク色の天蓋付きベッドが置かれ、ぬいぐるみなどの女の子が好きそうなものがたくさん置いてあった。
そういえば……昨日は随分お酒を飲んじゃって、久しぶりに酔っぱらったんだっけかな? この可愛い感じの部屋はアリスちゃんか。
周りを見ていると、隣でもぞもぞと大きなキツネ耳がぴょこんと出しながら、布団にくるまっている人がいる。ミケと一緒に寝ていたようだが、アリスちゃんの姿はなかった。俺が起きたことに気づいたのかミケも布団から顔を出す。
「アキラ君……おはよぉ」
眠たそうにしながら挨拶をしてくるミケ。そのまま寝ぼけながら俺に出来付いてくる。
「ミケおはようって……なんで服着てないの!?」
抱き着いてきたミケを見てみると生まれたままの姿だった。そして俺は下着姿だ。
あれ? なんでこんな事に……。昨日は気持ち悪くてそのままミケに付いてって寝たんだっけ。
昨日の事を思い出しているとミケが、上半身を起こしていた俺をベッドへ倒した。
あ……凄いすべすべしてふわふわなのもひっついてて気持ちいいなこれ……。そして……この大きくて柔らかいすべすべしたものは……間違いない。
ミケを楽しんでいる俺の肩に顔を埋めながらミケは呟いた。
「もう少しだけっ……このままアキラ君を近くで感じたいの……」
肩にかかるミケの吐息といい匂いが相まって心臓の鼓動が高鳴る。
朝からこんな事されちゃうなんて……おじさん幸せすぎるよ! でもこの体だとドキドキしててもバレ難いな……朝だったら自然に大きくなっちゃうからなあいつは……。
少し前にお別れした大事なものを思い出す。少し寂しくなったが、隣でミケがうにゃうにゃしながら甘えてくるので問題ない。おじさんは今を生きる事にするよ!
そうして幸せの時間を堪能していると、不意にドアが開かれ、寝坊助アリスちゃんが入ってきた。アリスちゃんはそのままベッドに入りミケに抱き着いた。
あぶねぇ、アリスちゃん寝ぼけててよかったわ。これ見られたら教育上まずい気がするような? おっと……そろそろ膀胱が限界のようなので、おじさんはちょっとここらでドロンしますね。
すごく名残惜しかったが俺はそっとベッドを離れる。ミケが寂しそうに空虚を手で掴もうとしていたが、アリスちゃんの方に体を向けさせてあげると、そのままアリスちゃんと一緒に気持ちよさそうに眠っている。
脱ぎ捨てられていた服を拾って着替えた俺は、そのまま朝の用意をしに行く。部屋の外に出てもまだみんな寝ているのか誰もいない。一通り朝の行事も終えたので、裏庭に向かった。朝のすっきりとした空気を堪能しながら、こちらに気づいて寄ってきたクモさんを撫でていると、ジョイスさんがやってきた。
「ジョイスさんおはようございます。昨日はちょっと……羽目を外し過ぎたみたいですみませんでした」
ジョイスさんは優しく俺の頭を撫でてくれた。
驚いている俺を見ながら話しすジョイスさん。
「そんな事を気にしなくもいいぞ。それに……わしも久しぶりに孫娘が甘えてきてくれたしの。もっと皆と楽しんでもいいんじゃよ?」
相変わらず優しいなジョイスさん。じいちゃんに撫でられてる時みたいで、なんか安心するな。もっと楽しむか……。おじさんはかなり楽しんでますよ? 男子の時じゃ出来ない事たくさんできたよ!
ジョイスさんと話していると、着替えたミケとアリスちゃんがやってきた。そしてみんなで朝ご飯を食べながら穏やかに過ごしていく。
「アキラさんや、そういえばシュルツが今日ギルドに顔を出してほしいと、言っておったぞ」
食後ミケとベンチに座りながらゆっくりしているとジョイスさんが伝えてきた。
「なんだろ? とりあえず二日酔いも結構楽になったんで、今から向かってみますね」
二日酔いも楽になってきたので、俺はそのまま行くことにした。ミケとアリスちゃんも付いてきてくれるようだ。
三人仲良く手をつなぎながらギルドへ向かっていくと。ギルド近くでシュルツさんとハンナちゃんを見つけた。
「ほらっシュルツ、ボタンちゃんと着けないとだめじゃないの」
「おう、わりいなハンナ」
ハンナちゃんはシュルツさんのシャツのボタンを留めてあげている。シュルツさんはボタンを留めてくれているハンナちゃんの頭を撫でていた。幸せなのか二人ともにこやかだった。てかイチャイチャしていた。
そんなイチャイチャしている二人に挨拶する。
「おはようございますシュルツさんとハンナちゃん。朝から仲が大変よろしくて羨ましいですよ? そいえばシュルツさん俺に用事があるんですよね」
俺の言った事も気にせずシュルツさんは、いいだろう? と自慢してくる。ハンナちゃんは照れながらも幸せそうにしている。リア充過ぎておじさんには眩しすぎる。
二人の幸せの光にやられていると、シュルツさんは先に中に居てくれと伝えて来た。まだもう少しだけ二人で居たいらしい。俺はそんな二人を見てるのはお腹いっぱいなので、そそくさとミケとアリスちゃんとギルド内へ入っていった。
「ハンナちゃん幸せそうで良かったね! でもハンナちゃん、お家じゃない方から来たけど、どうしたんだろね?」
どうやらシュルツさんが一人で暮らしているお家の方から来たらしい。なるほど、そうゆう事ですか。シュルツさんは踏ん切りがついた後は色々と手を出すのが早いなって思いながらも、ハンナちゃんも昨日準備万端みたいな事言ってたし。まぁ……いいんじゃない? おじさんはすごく羨ましいけど。
中に入ってもまだ時間があるので、アリスちゃんがお姉さんのエミリーさんに会いたいらしく、お店の方へ向かう。中に入るとエミリーさんはお店の開店準備が終わったところだった。
「おねえちゃんおはよう! あれ? フーにいちゃん?」
アリスちゃんはエミリーさんに抱き着いて挨拶していると、二階へ上がるための階段から、フェリド君が降りてきたところだった。あれ? 二階ってエミリーさんが住んでいるって言ってたような……?
「アリスおはようぉ! あ……フェリド君もおはよぉ……」
「アリスちゃんおはよう。エミリーもおはよう」
そう言って見つめ合う二人。エミリーさんはいつもと違ってもじもじしていた。それに比べてフェリド君は凄く堂々とした雰囲気だ。
あれ? なに? フェリド君大人の階段のぼっちゃったの? 兄弟で手が早いの? てかいつの間にか呼び捨てになってるし……。あんな大きくて柔らかそうなものでプレイするとは、フェリド君ずるいよ……。
そんな二人を横に、真っ白なゴーレムのニルがせっせと奥から品物が入った箱を持ってきていた。
あいつ……ビックリするぐらい馴染んでるな。あ、なんか二人ともチューしそうな空気になってるから、撤退しよう。もうおじさんへのダメージが半端ない。
こちらもイチャイチャし始めたので、受付に戻ることにした。ミケが俺にすごいくっ付いてきたけど、どうしたんだろうな? なんかあてられちゃったのかな?
戻っていくとシュルツさんは名残惜しそうにハンナちゃんを見送っていたところだった。
受付に座って居るサブリーさんの目が冷たい気がする。大丈夫かな? これからこれ毎日だよサブリーさん……。
そんな不安になっている俺をシュルツさんは奥の部屋へと連れて行く。サブリーさんから冷気が出てるような気配を感じつつも中に入っていった。
このギルド大丈夫なのかな……。




