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少女でリスタート  作者: 亀山
11/51

11 街で初めてのせんとう②

「よしっ……。行くか……。」


 残された俺は、覚悟を決め浴場へ向かう。


 ――風呂それは、心と体の汚れを綺麗に洗い流してくれる場所。目の前は女湯。男子禁制の場。


 今の俺は、女の子。だから入っても問題はない。決して、そう決して見た目は! おじさんではないから、安全だ! バレないはずだ!


 そんな分けの分からない事を、思いつつ。いざ禁断の扉を開く。


 扉を開け、中に入っていった。


 中の浴場は広く作られているが、ジョイスさんが言ってた通り空いていた、というより今一緒に、訪れた人しかいない。そして周りを見回すと。壁や床は、綺麗な白い石で造られ、装飾品等はヨーロッパ風の雰囲気だ。


 結構広くて立派だなぁ。おおー、なんか床とか壁も、大理石見たいなので出来てるんだな! ライオンさんはいなかったけど、ドラゴンに似たヤツの、口から水が出てるよ。 ちょいちょいファンタジーだな。


 異世界で入る、初めてのお風呂にワクワクしながら、みんなのいる所に向かっていった。


 噴水のような場所から、温かいお湯が出ている。そこの近くには桶がおいてあり、ここで体を流すようだ。


 近づいて行くと、なぜか皆服を着ている。


 あれ? なんでだろ? そう思っていると、エステルちゃん達が騒ぎはじめた。


「ちょちょちょっと! アキラなんて恰好してるのよ! ちゃんと入浴着、着てこないと駄目じゃない!」


「そそそ、そうですよ! アキラさん駄目ですよ! そ、そうゆうのはっ! 大事な人の前でしか見せちゃ駄目ですよ!」


 エステルちゃんとリーゼちゃんは、顔を真っ赤にしながら、そう言ってくる。


 アリスちゃんはキャー! おねえちゃん大胆!って言ってるし。カティアちゃんは、なんかケラケラ笑ってるし。


「いやぁ~アキラ姉は、ほんっっとに、おもしろいっスね!」


 なんか俺まずい恰好なの? お風呂って全裸じゃないの? しかも同性なはずだよね? なんでそんなに、みんな驚いているの? カティアちゃんは、いつのまにかアキラ姉になってるし。


 俺は、アリスちゃんから渡された中に、入っていたハンドタオルサイズの布を、肩にかけ。仁王立ちしていた。 


 日本スタイルってこんなんじゃないの? よく行ってた銭湯の、おじさん仲間はこんなだったよ?


 エステルちゃんとリーゼちゃんが、俺に駆け寄り腕をとる。そのまま着替え場所まで連れていく。中に押し込められ、布きれを投げ込まれた。


「アキラさん……それを着てください。着替えてから、ちゃんと戻ってくださいね?」


 リーゼちゃんの言葉には、少し呆れた感じが伝わってくる。


 怒られちゃった、そんなに駄目だったのかな? うーん……わからん! 着替えろって言われたし、着替えようかな。 これだよな?


 投げ込まれたものを確認した。


 なんだろこれ? そう思いながら見てみると。それは長い真っ白な、キャミソールに似た物だった。


 前は膝にかかるかかからないくらいか。でも後ろはなんでこんなに背中開いてるんだろ? これ逆じゃないよね? 逆だったらかなり卑猥になっちゃうけど?


 入浴着と渡された、服に着替え。浴場に戻る。


「着てみたけど、これで大丈夫? 変じゃない?」


 そう伝えると、リーゼちゃんが返事をしてくれた。


「はい。大丈夫ですよ。同じような物があると聞いたので、大丈夫だと思っていましたが。アキラさん外国の方ですし、ちゃんと説明しなかった私もいけなかったんです。すみませんでした。」


 そう謝罪をするリーゼちゃん。


「あ、いえ。俺も全然知らない事だったので、すいません。あの……、良ければなんで駄目なのか理由を教えて貰えないですか?」


 口調が丁寧になってしまった。リーゼちゃんは、丁寧な口調で話してくれるので、こちらも気づくと同じようになる。


 そんな俺に、ほんの少しだけ寂しそうな目をした、リーゼちゃんが話し始めた。


「えっと、その。そういった部分はですね。大事な人にしか見せないようにした方がいいんです」


 少し頬を赤く染めているリーゼちゃん。とても可愛いです。


 しかし、大事な人って言われてもな。みんな同性だし、なんだろ? 仲の良い友達とかにしか見せちゃだめなのかな? あれ? 俺仲良くないの? そんなのおじさん寂しすぎるよ! おじさんを一人にしないで!


 そんな不安を横に置き、みんなに伝える。

 

「そ……そうなんだ。でも、ほら。あれだよ? みんな俺にとっては、大事な人だよ? それでも駄目なの?」


 そう言った瞬間。エステルちゃんやリーゼちゃんの二人は、顔が赤くなっていく。二人のそばにいたカティアちゃんまでも、顔を少し上に逸らし、頬が赤くなっていく。唯一、アリスちゃんだけは、嬉しそうな笑顔でこちらを見ている。


 え? なにこれ? そんなに恥ずかしい事いったの? 四人中、三人が赤面って……、どうなってんの? やだちょっと! おじさん恥ずかしいよ!


 困惑していると、アリスちゃんが抱き着いてきた。


「ありがとうおねえちゃん! 私もアキラおねえちゃんの事、大好きだよ!」


 力強く抱きしめられるおじさん。見た目は少女。


 頭を優しく撫でてあげると、ちょっと照れくさそうに、俺の胸に顔を埋める。


 そんな俺達を、見ていた三人も話し始めた。


「そ、そうゆうのは……。もうちょっとお互いをね、知ってからじゃないと」


 動揺を隠そうと、必死になりながらも話すエステルちゃん。目が泳いでるよ? おじさん愛おしくなっちゃうよ?


「そっそうですよ、そうゆうのは少し早いかと。いえ、別にいやとかじゃないんですよ? ただもう少しゆっくりのほうが、わっ私は……」

 もじもじしながら俯くリーゼちゃん。凶器が揺れてるよ? おじさんの心も揺れちゃうよ?


「いやぁ~。自分もそうゆうのちょっと、初めてっスから。少し時間が欲しいっスね!」

 体を横に向けながら話すカティアちゃん。シッポが綺麗に伸びてるよ? なんか頑張って背伸びしてる感じ、おじさんキュンキュンしちゃうよ? 


 てかシッポあったんだね……。ケモミミあるんなら、あってもおかしくないか。


 シッポが斜め上に綺麗に伸びているため、服がめくれる。もう少しでカティアちゃんのお尻が見えそうになる。


 それを、本気になって見つめるおじさん。


 カティアちゃんがその目線に気づきお尻を隠す。俯きながらこちらを見ているが、頬が先ほどより赤くなっていた。


 いつも余裕を見せるカティアちゃんが、恥ずかしがる姿は、とても素晴らしいです。


 クソッ! そっそれは、ズルイだろ! なんか違う一面見せられて、しかもそれが可愛いって! おじさんの方が動揺しちゃうよ! あ……、見てたのバレたのかな? 綺麗になる前に、おじさん臭い飯はいやだよ!

 

 皆の混乱が収まるまで、数分掛かった。


 この後、なんとか平常心を取り戻し。体を流してから入浴した。


 今はみんなで、湯船につかっている。


 かけ湯は大事だよ?


 そして……、どうやら俺は、またやっちまったらしい。


 


 



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