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少女でリスタート  作者: 亀山
10/51

10 街で初めてのせんとう①

 「おっふろ~♪ おっふろ~♪」


 アリスちゃんが、俺の手を引きながら楽しそうに歌っている。


 うんうん、アリスちゃんはお風呂が、大好きなんだね。おじさんも大好きだよ。


 でもね……。


 おじさんは、どっちに入ればいいのかな?


 陽気なアリスちゃんの横で、不安になっている少女。しかし、中身はおじさん。


 おじさんは一人うなだれているが、周りのみんなは、ワイワイと楽しそうにしている。


 そういえばフェリド君は、帰ったのかな? 地元の人みたいだから、自分の家に帰ったのか。まぁおじさんも、帰るおうちを手に入れたしね!


 ふと、フェリド君の事を、思い出していると。


「アキラさんの国では、温かい湯に浸かったりするんですか?」


 横からひょこっと、顔を出すリーゼちゃん。相変わらず可愛いね。両手を後ろに回して、首をかしげてる姿なんてもう、やばいよ! その体制だと、リーゼちゃんの可愛くないおっぱいが強調されて、もう凶器だよ! おじさんはイチコロだよ!


 その凶器的な、おっぱいを凝視していると、リーゼちゃんは不思議そうな顔で、こちらを見つめてくる。


 おじさんも、そのおっぱいが不思議でしょうがないよ!


「ええっと……。一応あったかな?。ここの国と……、たぶん同じだと思うよ」


 動揺しつつも。とりあえず、同じようなあるものはあると、伝えておく。


 でもあれ? 海外のお風呂ってどんなのなんだろ? あれかな? ライオンの口から、お湯とか出てるの? いまいち分からないが、大丈夫っしょ。多分……。


「そうでしたら良かったです。外国だと、お湯に浸かる習慣があるのか心配でした。でも、大丈夫そうですね! 一緒に入れますね!」


 そう言ってくるリーゼちゃんは、どこか楽しげだ。


 リーゼちゃんもお風呂好きなんだね。女の子はお風呂好きだもんね。でもね、一緒に入っておじさんの理性はもつのかな? 


 そんなこんなで歩いていると、結構立派な建物が見えてきた。


 おおう、レンガ造りの綺麗な建物だね。結構人気なのかな?


 アリスちゃんが、走り出す。建物の入り口に着くと、元気良く叫んだ。


「アキラおねえちゃん! ここがお風呂だよー! 早くおいで―!」


 アリスちゃんの元気な声を聴き、俺も覚悟を決めて進んで行く。


 ええい! あんな可愛い子が、お誘いしてくれたんだ! 行くしかない!


 お風呂屋さんに入っていく。中は結構広く、スーパー銭湯のようなロビーだった。


 結構広いんだな。あ、受付の人にお金渡せばいいのかな?


 入り口すぐ近くに、人が立っており、そこで料金を払うようだ。


 あ、やべ。金持ってねぇや。どうしよう……。


 不安な顔をしているとエステルちゃんが、近づいてくる。


「ほら、アキラお金持ってないんでしょ? ここは、私が出してあげるから、感謝しなさいよね!」


 俺のほうを一瞬見た後に、少し頬を染めながら、プイっと目をそらし、そう言った。

 

 ちょっと照れてるエステルちゃん。可愛いですね。そしてこんな可愛い子に、お風呂を奢ってもらう、おじさん。


 小さな女の子に、お金を出してもらうという現実。羞恥心が刺激されて、おじさんたまんねぇっすわ。

 

 中に進んで少し行くと、壁に立てかけてある看板があった。ここが入り口のようだ。


 入り口の看板は二つあり、ひし形マークが書かれていて、色が分かれている。


 青とピンクか。これは多分男女で分かれてるって事かな? 流石に混浴って事はなかったか。まぁでも、混浴って結構敷居高いしね、おじさん知らない女性とお風呂とか無理だしね。元気になっちゃうもん。


 クラウス君とニック君が、青い看板がある方に入っていくので、俺もついていった。

 

「アキラ……どこ行くのよ。そっちは男湯でしょ? 女湯はこっち!」


 プンプンするエステルちゃん。

 

 やっぱりそうですよね? 今のおじさんじゃダメですよね? うーん……、でもどうしたもんか。


 一瞬考え、振り返り返事をする。


「ちょ……ちょっとね。ニック君が背中流して欲しいって言ってたから、流してあげようかなって……」


 前を歩いていたニック君が、振り返りこちらに目を見開いた。


 あんた何言ってんの? って顔をしながら、すごく、ものすごくこちらを見てくる。


「なんですって! ニック! どうゆうことなの!」


 エステルちゃんが、叫びながらニック君に詰め寄って行く。顔に手をやり、めんどくさそうにするニック君。


 ニック君ごめんね。巻き込んじゃってごめんね。ほらでも、旅は道連れ世は情けっていうじゃん! なんかニック君そうゆうの慣れてそうじゃん! だからね。 そんな目で見つめないで欲しいなぁ。 おじさんもテンパってたからさ……。 ほんとごめんね!


 このままでは、可哀想なので冗談だと伝えると。エステルちゃんは、ならいいわよ!って言って中に入っていった。ニック君は、少し恨めしそうにしていたけど、そそくさと俺も中に入る。


 中に入るとそこには、脱衣所があり、服を置く棚や体重計のような物があった。


 ほうほう。こうゆう感じなんですね。あ、タオルとかも置いてあるんだ。こうゆうのも全部サービスなんだね。結構良い所じゃん。色々置いてあるけど、どうすりゃいいんだろこれ。


 悩んでいると、アリスちゃんが声をかけてくれた。


「はい、これ! おねえちゃんの分用意したよ! ここで着替えてねッ、そしたらこっちにお洋服置くんだよ~」


 初心者な俺に説明してくれる、アリスちゃん。マジ助かります。でも、なんで試着室みたいにカーテンに、仕切られてるところで着替えるんだろ? そうゆう文化なのかな?


 不思議に思っていると、皆次々と中に入っていった。俺も開いている場所に入る。


 まぁでも、みんなの着替えてるところ見ちゃうとか。おじさんの理性が持たないからよかったけど。みんなだって、キレイどころだもん。ドッキドキだよ!


 着替えようと思い、ボタンを外す。しかし、思い出すのであった。


 自分が女の子だと言うことを。


 どうしよどうしよ! これはセーフなのか!? 自分自身だから大丈夫だよね? 中と外が違い過ぎて困っちゃうよ! ぜんぜんリバーシブルじゃないよ!


「お……おう、だっ大丈夫。自分だから! 自分だからね! セーフだよね!」


 自分に言い聞かせながら服を着替え始めると、気づいた事があった。


 なんかブラとかも、ちゃんとつけてんだな。


 男だった時には無かったものも、ちゃんとつけていた。可愛らしいお花柄の、上下ピンクの下着。


 これ、完全におじさんがしてたら、速攻捕まる奴だよ。このまま急に男に戻ったりしないでほしいよ! 悲しみしか残らないよ!


 ブラを取るのに苦戦しながらも、なんとか全裸になる。


「う~ん……、やっぱりないか……。あ、でもおっぱいはそれなりか」


 自分の体を調べ始める。胸はそれなりにあるようだ。


 ひえ~、随分と華奢だなぁ。こんなので、良くあの犬倒せたな。ふむふむ、なるほどね、こうゆう感じね。なんかでも、自分におっぱいついてみると、案外邪魔なんだな。あ、でも先っちょはピンクか、よかった、おじさんだった時の、色合いだったらもったいなかったから。 おじさんはドングリみたいな色だったから……。悲しいね。


 やっぱり自分自身の体だと、興奮したりしないんだな。そう思っていたらエステルちゃんに声をかけられた。


「アキラ~、私たちは先に行ってるわよ。アキラも早く来なさいよね」

 

 少し着替えに戸惑っていたので、待たせてしまっていたようだ。やはりそこは、女の子。お風呂に入って体を、早く綺麗にしたいのだろう。

 

 ドアの広く音と共に女の子達の声は遠ざかっていく。

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