出会い
「さて、鬼が出るか蛇が出るか…」
喫茶店でお茶をすすりながらヴァイスクリティカルは育ての親の親戚と豪語する人物と待ち合わせをしていた。この喫茶店の主人とは昔からの馴染みで厄介ごとではいつも世話になっている。
「なあヴァイスよ最近ここいらの近くで立てこもり事件があったんだが、最近は情報網が弱っちまってよ知ってることあったら売ってくれや」
大柄で顔に傷のある店主がヴァイスに話しかけた。
「売るも何ももう解決した案件だろ?買い手がつくのかよその情報」
「まぁな。ここ最近何かと凶悪犯罪が増えちゃいるが、警察に情報がなさすぎてよ。一部の噂じゃあ警察に恨みがある連中がこれ見よがしに先に制圧してるってんで、、ダブルクラウンのファミリーあたりが暗躍してんじゃねえかって話だ」
ピクッ
ヴァイスはダブルクラウンの言葉に反応して眉をひそめたがそのまま話を進めた。
「奴の情報なら俺だって欲しいくらいだ。今は都心部で身を潜めているっていうし、こんな外れのど田舎に手を出す理由が何かあるのかねぇってのが俺の感想だが?」
と言い切ったところでガランカランと戸が開く音がなった。
「へいいらしゃい…と…」
店主は戸の方に目をやり、その後言葉に詰まった
「…わるいが今日は先約がいてね。どこぞの坊ちゃんかお嬢ちゃんか知らねえが日を改めて来てくれや」
入って来た人は背丈が150ぐらいの子供であった。フードをかぶり顔だちまでははっきりとしないまま子供は言った。
「すいません。今日ここでクリティカルさんと会うお約束をしているのですが…」
主人とヴァイスは固まったままその子を見つめたのち、
「おい、ありゃあなんだ?鉄砲玉か?」と主人がヴァイスに尋ねた。
「わからんが例の部屋を借りるぞ」そういってヴァイスは立ち上がった。
「私がヴァイスクリティカルだ。はじめまして例の件については奥で…」
そういってヴァイスは子供を部屋に促し、店主に目配せをした後、扉を閉めた。