表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンガイドさんの仮想現実生活ログ  作者: まいなす
『第0話 ダンジョンガイドさんは困った』
7/183

6

 彼女たちこそルイルイとメイメイだ。

 二人が身を寄せ合って地面に腰を下ろしているから見落としていた。いやー、あまりにもゴブリン顔を筆頭にしたおっさんズが色々とやばかったので俺の感知スキル(ランクA)も形無しである。面目ねえ。


 部下の仕事ぶりを眺めて満足そうに頷いたゴブリン顔は放っておいて、ススッと二人の方へ近づいていく。そんでもって二人の状態異常を確認する。


 【捕囚】


 ……げっ。

 彼女たちに近づいたところで二人のパーソナルキャラの頭上にそんな文字が浮かんだのだ。


 【捕囚】状態だとアイテムが使用できないどころかインベントリも開けられない。道理で。メイメイからSOSメッセージが届いた後、何度もこっちからメッセージ送ったのに返信がないわけだ。


 よく見てみると、二人の手枷は【王都ジークハイン】の憲兵とかが使っている軍の正規モノだった。このおっさんズはどう見ても憲兵とかいうナリではないし、レベルと装備品から見積もって、おそらく傭兵団ギルドだろう。合法的にプレイヤーキルができる【戦争】が行われているどっかの戦場のどさくさで軍用のレアアイテムをクスねてきたに違いない。最近、【戦争】の開催が異様に多いからな。それにしたって本来なら犯罪者を縛るためのアイテムを犯罪者に使われるなんて、皮肉なもんだ。


 とりあえず二人を縛っている軍用手枷の鍵を探さないことには、移動制限効果もかかってるので俺にはどうにもできない。いったい誰が持ってるのか。まあ、ゴブリン顔さんだよなぁ。再びあの顔と対峙しなければならないのかあ。やだなあ。


「ルイねぇさんは、お、おれが、守るから……っ」


 一度見たスプラッタ映画をもう一度見せられるという悩ましい気分に悶々していると、男たちの下卑た視線に恐怖しながらもメイメイがルイルイに寄りかかる。


 ほう、感心感心。自分の身を挺して姉を守ろうとするなんてデキた妹だ。金髪ツインテールというところもポイント高い。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ