35
……えっと、思考が脱線した。悪い癖だ。
いい加減、ちゃっちゃとこの子を解放して、さっさとズラかろう。
あーらよっと。
「ん……、」
さっそく俺がもそもそとカギをハーフヴァンプ少女の手枷の鍵穴に入れようとした、ちょうどその時だった。
「ふぁ……、えっ……、な、なに……?」
「げっ」
神がかり的なタイミングで目覚める少女。
何の前触れもなく。
俺も不意打ちで固まってしまい、彼女の赤い瞳と見つめ合う格好になる。
しばらくして、先に解凍できたのは奇しくも俺のほうだった。けれども悲しいかな。こういう場合、なんて言ったら良いのだろうか。俺の脳みそのエライ人は教えてくれない。
「あー、……えっと」
というわけで、脊髄反射的に脳足りんな言葉を口から漏らしてしまう。
「おはよう?」
「…………え? あ、おはよ……、……っていうか、なに。だれ?」
ここで、なにやら身体がスースーするとでも思ったのだろうか。彼女の寝ぼけ眼の視線が自らの首から下へと流れた。
「……………え?」
瞬時に凍り付くハーフヴァンプ少女。
続いて、彼女は自分の視界に入ってきた情報が本当に正しいのか確かめるように目をパチパチさせる。けれども眼前の光景は変わらない。非情であるところも現実に似せてこの仮想現実は創られている。
「ひぁわぅッ!?」
悲鳴。ハーフヴァンプ少女の色白の頬が真っ赤に燃える。




