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…………。
おい、まさか。
いやまさか、な。
でも、まさか……。
うわそのまさかだーっ!?
ガツン。
「ぎゃふんっ!」
Critical!
かくして、目を回してその場にドサッと倒れるハーフヴァンプ少女。クリティカル大ダメージかつ完全な認知外からの攻撃により【気絶状態】となってしまったようである。
「……勝った」
ゴッドヒルトさんの呟きは静寂に消えた。からの汚いおっさんズの歓声。拍手喝采。ゴッドヒルトコール。ゴッド、ヒルトっ! ゴッド、ヒルトっ! その頃一方、俺は目が点、口あんぐり。
そういえば、彼女のステータス。“ほぼ”全て高値で揃っていたなかで唯一、幸運値だけが限りなくゼロに近かったのを俺は思い出し、納得して、そして振り出しに戻るどころか余計に状況がややこしくなってしまったことを悟る。
ホント、困るわー。
どうしようか。
「ケッ、散々コケにしやがってこのアマぁ」
一休さんばりに額に唾をつけてポクポクしている俺がチーンしないうちに、部下たちの歓声に拳を振り上げて応えていたゴッドヒルトさんがハーフヴァンプ少女に近づいていく。




