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ダンジョンガイドさんの仮想現実生活ログ  作者: まいなす
『第1話 ダンジョンガイドさんは迷った』
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 ブレス攻撃のなくなったクラウソラスの攻撃パターンは大きく分けて五つ。

 くらったら捕食される噛み付き攻撃。

 くらったら即死の前足爪での引っ掻き攻撃。

 くらったら轢死の翼爪での押さえつけ攻撃。

 くらったら圧死ののしかかり攻撃。

 くらったら爆死の尻尾での叩きつけ攻撃。


 攻撃は全てそれらから派生したものの組み合わせによって行われる。その中でも特に注意しなければならないのは尻尾だ。鞭のようにしなって対象を木っ端みじんにするそれは、間合いが一番掴みづらい。まあ、他の攻撃もくらったら死に直結する時点でお察しではあるが。


 しかし、勝算がないわけではない。

 ブレス攻撃とは違ってそれらの攻撃には全て予備動作が存在する。その予備動作を調べ、次にどの攻撃がくるのか予測することができれば、攻略は可能だ。


 それ自体は、いつもやっていることだった。

 マゼンタさんたちとパーティ組んでガチ攻略するとき、まず最初に彼女たちが適当に流して戦っているところを【インビジブル・ヴェール】によってモンスターからのヘイトを極大減少してバトルを俯瞰し、俺が敵モンスターの攻撃モーションを全て見切ってから、撤退。後日、有効な作戦を立てて再戦という盤石な攻略方法をとっている。


 しかし、今はそれを自分自身が戦いながら行わなければならないぶん、緊張感が半端ない。というか、死への恐怖で鳥肌が立ちっぱなしである。


 クラウソラスの前足ひっかき攻撃を後方に跳んで回避する。ついでに、ダガーナイフをやつの顔面に向けて投げつけてやった。


 グギャァッ。

 ダメージは一切入らない。滅竜ドラゴスレイヴ属性が付与された武器や魔法スキルでしかダメージは無効化されてしまうのだ。けれども、ウロチョロする小蠅にイライラしてるのは俺にヘイトが集中してることからわかる。


 距離をとった柱の陰でミミさんが弓を引き絞っているのが視界の端に移る。彼女は俺が退避部屋がある方向とは逆の方へ誘導するクラウソラスの動きに合わせて、常に最適な射撃位置をキープしつつ隠密行動している。やはり、強い。あのパーティでの実力で言えば、ユーリくんが本気出さない限りは、彼よりも上だしね。


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