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ダンジョンガイドさんの仮想現実生活ログ  作者: まいなす
『第0話 ダンジョンガイドさんは困った』
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10

 こうなると多勢に無勢である。

 俺なら真正面からは絶対にやり合わない。

 けれども、ハーフヴァンプの女の子は勝気な表情を崩さずハルバードを手慣れた様子でクルクル回して肩に担いだ。逃げる様子は微塵もない。短剣よりも重い武器が持てない俺と違ってカッコいいことこの上ない。


「ふうん。何者だ、ねぇ。誰かに名前を尋ねるときはまず自分からってジョーシキを知らないの? その首の上にのってる汚物はお飾りなの? ああ、それとも誰かに知られたくないほど恥ずかしい名前なのかしら? 短剣符でもつけちゃったとか? あはっ、憐れ。どうも名前を聞いてごめんなさーい」


 煽るな。煽るなよなー。

 口に手を当ててニヤニヤと笑うハーフヴァンプ少女に、ゴブリン顔の額に青筋が浮かび上がる。


 でもなー。

 でも、それあるんだよなー。

 ときどき俺も見かけるわー。

 †何とか†さんとか。

 そういう時はちゃんと『ダガー何とかダガーさん』と音読みしてあげるのだ(微笑)。


「ちッ、いいだろう。教えてやる。ガーディバティン傭兵団のサブギルドマスター、泣く子も黙る【鮮血の】クロノス・ゴッドヒルトたぁ、このオレ様のことよッ!」


「あーはいはい。あたしはシャノーラよ」


 パーソナルキャラのネーミングセンスに対して謂れのない不名誉を挽回しようと格好良く名乗りを上げたゴブリン顔改め、クロノス・ゴッドヒルトさんであるが、一方、シャノーラと名乗ったハーフヴァンプ少女は興味なさそうに手を振ってインベントリ画面を開くのであった。


 何を出すのかと剣を構えて警戒するゴッドヒルトさん。

 しかし、少女のインベントリから実体化されたのは一枚の羊皮紙だった。

 遠目で判別しづらいが、クエスト受注用紙のようだった。


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