表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンガイドさんの仮想現実生活ログ  作者: まいなす
『第0話 ダンジョンガイドさんは困った』
10/183

9

 ――――ズドッ。

 しかして、突然の爆発音。


 なにゆえ。


 バーンッ。

 ふたたび破壊音とともに、何人かの男の悲鳴。

 そして、この野営地の外周部から中心にいるゴブリン顔へ一直線に駆けていく黒い影。


 それはハーフヴァンプの女の子だった。魔法スキルで生成した黒い霧のような鎧をまとっていることから、彼女が魔法剣士系上級職である【暗黒騎士ダークナイト】であることがわかる。お嬢様結びしたアッシュブロンドのロングヘアーをなびかせ、犬歯を見せながら不敵な笑みを浮かべて疾走する彼女の手には、一見しただけでレア度が高いとわかる凝った装飾の施された大型のハルバードがにぎられていた。


 ヤル気満々といったご様子であることは間違いない。

 やがてゴブリン顔に距離を詰めた彼女はハルバードを振りかぶる。

 槌部分には黒霧がまとわりついている。

 暗黒騎士の最上級打撃攻撃系魔法スキル【ダークミスト・インパクト】をブッパするつもりだ。


 ところがどっこい。

 ゴブリン顔も負けちゃいない。

 慌てることなく口に含んでいた酒をハーフヴァンプの女の子に向けて噴き出した。


「わわっ! ちょ、ちょっと何すんのよっ! 汚いじゃないっ!」


 これは溜まらんと、攻撃モーションをキャンセルして飛びずさって抗議するハーフヴァンプの女の子。その意見には激しく同意である。まあ、PvPであまり褒められたものじゃない汚手である奇襲を仕掛けてきた彼女が言うセリフではないのかもしれないが。


「何をするはこっちの台詞だッ! おめえ、何者んだッ!」


 ごもっともなテンプレ台詞を吐き捨てながらゴブリン顔は自分の得物であるブロンズソードを引き抜いた。それに合わせて周りにいた汚いおっさんズも各々の得物を構えて乱入者にタゲった。最低限の統率はあるみたいだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ