5 正体を知ってしまった以上・・・。
春。
校門の前に卒業式。と書いてある。
この日を待ちに待っていた藍は、瑠香を放課後に呼び出し、正体を言うため。
「瑠香!ちょっと、放課後、体育館の裏に来て!話があるから!!」
それだけ言って返事は聞かず、走り去った。
体育館で、卒業式。
もうこれで、高校の生活が終わるのか。。。と思うと、少しさみしくなる気がした。
卒業賞状を受け取った後、普通に歌を歌い、言葉を言うだけ。
「さようなら…。高校生活。」
体育館を出ると同時に私が言う。
「それと…」
「白魔女…、瑠香…!」
。
。
。
「んで?藍、話って何?」
体育館裏に集まった二人。
瑠香を壁に押し付けて、話している。
「言わなくてもわかってるくせに…!何故そんなのになった?成れるものなのか?」
「あの。。。どういうことか、わからないんだけど…?」
「嘘つけ!私は、貴方の正体を知っているの…。瑠香…!」
瑠香は真顔で、驚いた。
「何?私のことをものすごく人間だねって言おうとしてるの?」
「そうだね。。。そうとも言えるわ。けどね、残念ながら、貴方はもう人間ではないの!白魔女…。魔女の血を流しているのよ!!!!」
静まりかえってしまった。
「藍…!そこまで魔女好きにも、いい加減にしたらどうや?」
「嘘なものか!!あんたは、跳び箱から落ちた男を猛スピードで助けたじゃないか!!」
「藍…」「瑠香が走った後に、白い星が光ったんだ!」
そして、瑠香は言葉を返せず、ハァ…とため息をついた。
「藍、私がなぜ白魔女になったか、わかる?」
「そんなもの、聞きたくないね!裏切ったんだね!私を!信じていたのに!!!」
「貴方を助けるために…」「そこで正義のヒーロー気取り?それなら、男子助けた時だけにして!!あんたの理由なんて聞きたくない!!!!」
頭にきて、瑠香の言葉なんて聞こえない。
瑠香は藍を呼びとめようとしている。
「瑠香の…バカ!!!!!」
走って逃げる。
もう、瑠香に残す言葉なんてない!!!!!
その後、瑠香を見た人はだれ一人としていない。