永遠の別離という結末 六話
実家に泊まって待ち合わせ場所に行くつもりだったが
仕事が入ったので俺は部屋に戻ってきた。
予約していた千夏の好きな花束は
予定変更で テーブルで千夏を待つことにした。
掃除機をかけて
何もない家具の上を雑巾でふいた。
千夏がはくスリッパと歯ブラシと枕だけはそろえてあった。
「ここに…千夏が立って料理するんだ。」
千夏にエプロンを買わなきゃと思った。
それから・・・・
それから・・・・
殺風景なこの部屋に千夏がいるのを
想像しながら
明日の夜はこの狭いベットでお互いの体温を感じながら
眠りについている……。
俺は千夏の枕をだきしめた。
「愛してるよ。もう絶対に離さない。」
そうつぶやいてやっと眠りについた。
朝 ハッとして飛び起きたらもうすぐ5時で
「ヤベ~~~きのうなかなか寝付けなかったから
うわ~めっちゃ最悪だ・・・・」
俺は飛び起きてダッシュで着替えをして用意をして
携帯を持ったら 充電が切れていた。
「なんだよ・・・・最悪じゃん・・・
今日は幸せな日になるのに……俺何してんだか。」
とりあえず携帯をジーンズのポケットに入れて
ダウンをはおって部屋を飛び出した。
「うわ~~~~なんだぁ~~~」
外は凍りつくくらいの冷え込みだった。
待ち合わせ時間ちょっとずらしてよかったな……
こんなに冷えてたら千夏もあおいも
凍っちゃうから。
ツルツル路面で何度も足をすくわれた。
三月だというのに・・・なんだこの寒さ・・・・・
だけど星がきれいで空が澄んで見えた。
今日は晴れるんだな。
途中アイスバーンに停まりきれない車が
立ち往生していた。
それを見ていて俺もひっくり返った。
周りを見渡して
「うわ~めっちゃカッコ悪い……」
思いっきり打った腰が痛かった。
なんか・・・・・今日は・・・・ついてない
千夏にあえば きっと運勢も上昇するだろう………。
「こんた~ぁ」千夏の声が聞こえたような気がして
振り返った。
誰もいない・・・・・。
「早く会いたくて 空耳までしてる。」
俺はおかしくて笑った。
「ダッシュで働いて少しでも早く終わらせよう!!」
明かりがついたスーパーが見えてきた。
俺は 何も知らずに…必死に働いて…ときめく心をおさえながら
列車に飛び乗り・・・・待ち合わせ場所に向かう。
待ち合わせの変更前から
四時間たった・・・・・八時……にいつもの公園のベンチ……
千夏を待って・・・・
希望を待って・・・・だけどいつまで待っても千夏は現れなかった。