永遠の別離という結末 三話
「もしもし・・・・」
「こんた!!うち!!」
懐かしいそして愛おしい声
「携帯がなくて こんたの番号の最後が思いだせなくて何回も何回も
間違えて…やっとやっと…今 家。」
「大丈夫か?お腹の子は?」俺は元気そうな声に安心しながら
体の具合を聞いた。
「うん。産婦人科の先生に怒られちゃったよ。
こんなになるまで…おかあさんの資格ないって…」声が沈んだ。
「ごめんな。俺が一緒にいれなくて。」
「でもね 超音波で見たよ。
指しゃぶりしてた。めっちゃ可愛い 見せてあげたかった。」
「え?どうやって見たんだ?」
「お腹になんか塗ってね…写真とってもらったから
持って行くね。もう用意終わってるの。
あんまり持っていかなくていい?」
「いいよ。俺の服着てたらいいし…あんまり重い荷物
持ってくるなよ。なっちだけいればいいんだ。」
「うふふ・・・・。早く会いたい。」
「親は…やっぱり…なんて言ってた?」
「口きいてないもん。でもお手伝いさんとか使って
うちを見張ってるんだ。」
「大丈夫か?」
「うん。もう逃げるしかない~
朝も早いから 絶対うまく出れるよ。」
「そっか~」千夏の明るい声にホッとした。
「あのね…赤ちゃんの名前だけど……夢を見たの。
男の子か女の子かわかんないけどね…
あおい ってこんたが呼んだんだよ。
だから名前はあおいにしよう。いい?」
「もちろん~いい名前だよ。
漢字はどう書く?」
「それはこんたにまかせるわ。
うちは呼名でこんたが漢字 二人でつけた名前~ね?」
「あおいか~
溝端 千夏 に 溝端 あおい ・・・・・・」
「もうすぐ…もうすぐ会えるね。
早く会って抱いてもらいたい……。」
「俺も会いたい……。
これからは朝も夜もずっと一緒だね。」
「愛してるこんた……」
「俺も愛してるよ……」
「ありがとう…うちを見つけてくれて……
こんたに会えて幸せだったよ。」千夏が言った。
「だった…じゃないよ過去形だし・・・・
幸せだよ…だろ…。」
「あ~~そうだった~~あはは~」
明るく笑う千夏に俺は安らぎを感じる。
「あ…まずい来た来た!!
電話切るね、削除しておかないと・・・・。
じゃあこんた…あさって…」
千夏が焦りだした。
「うん!!待ってるからな。
明日卒業式 頑張れよ~~~」
電話が切れて ツーツーツーと鳴った。
あさって…ここに千夏が来る……。
俺たちの幸せの場所・・・・・・。
なっち俺も 幸せだよ・・・・・。