九話
「小山内!!!」
ゴリラに声をかけられた。
「は…はい!!!」 私はあまりの大きな声にびっくりした。
「おまえは陸上部に入らないのか?
足が速いんだろ?
もったいないな~陸部の須藤先生が 考えてくれって言ってたぞ。」
「あ…部活は入ろうとは
思ったんだけど…まだ決めてないんです…。」
「暇を弄ぶから部活はしたほうがいいぞ。
大学の推薦とれるしな…。
考えておいてくれな。」
「はい……。」
あんなに入学したらはいろと思ってたのに
私の頭の中は
違うことでいっぱいだったりする。
今日はまだ先生に会ってなかった。
「あ…そうだ小山内
おまえのおねえさんはうちの学校だったんだって?
理事長が会いたがってたぞ。」
「理事長?」
「入学式の時 校長先生の前に話してただろう?」
「あ…はい…
なんでおねえちゃんを知ってるのかな…」
「うちは私立だから…先生たちは歴史が古いんだよ。」
おねえちゃんを知っている……
「どこに行けば会えますか?」
「たまにしかこないけど
今日はいらしてたな~確か……
放課後 職員室に来なさい。
もし俺がいなかったら 誰か先生方に声をかけて
理事長先生に会いに来たって言えば
連れていってくれるから。」
「はい!!!」
職員室なら 先生に会えるかも・・・・。
今日はまだ会ってなかったから
私は 心の中で ラッキー~~と叫んだ。
おねえちゃんを知っている理事長先生
どんな話が聞けるかな……。
放課後のことで頭がいっぱいになった。