恋の試練 三話
お互いに高校生活がスタートして 千夏は親の目を盗んで
俺に会いに来てくれて
俺にも給料が入って 携帯電話と それから給料が入るとホテルで
愛を確かめ合う……。
そして公園で恵美と三人で会う
恵美も千夏に似て賢い子で 千夏と二人で恵美に
ひらがなを教えるのが楽しかった。
そんな夢のような楽しい日々を送っていた。
「勉強さえおとさなかったら 親は大丈夫よ。」
と千夏が言うように 学年五位以上の成績をとって 積極的に学校行事に参加して
弁論大会なるものでは毎回賞に入っていた。
「きっと こんたとは終わったって思ってるわ。
大丈夫…うまくやってるから~」
そう言って千夏は微笑んだ。
俺に会う給料日後の週末を フリータイムでベットで過ごす
愛おしさは募る一方
そして千夏の前向きな強さに 俺も恥ないようにと 必死に立て直しながら
俺たちは高校三年生になった。
千夏は教育大を目指し
俺もいつしか 千夏と一緒に教師を将来の希望に入れていた。
「一年遅れるけど待っててな。」
「好きな人と同じ夢を追えるなんて幸せよ。」
恵美はそう言って喜んだ。
俺も必死に勉強していた。
正直 時間的には本当にきつかった。
学校から帰ってきて 深夜まで勉強して
そして朝 九時までに隣街の仕事場に行き そして学校へ
だけど充実していた。
確実に自分は変わって行くんだって 手にとるようにわかった。
会えない時はメールや電話で千夏と愛を語り合う
それだけで充分に 充実してる毎日を過ごしていた。
「愛してる?」
「愛してるよ……愛してる?」
「うん…愛してる……。」
愛を囁き合う毎日がずっと続くって 信じていたんだ……。
「恵美はなっちにソックリだよな~。
どうしてる?元気にしてる?」
「そうでしょ?私の小さい頃の写真とめぐはソックリで
ママがたまに混乱するくらいって言ってた。
元気にしてるよ~
頭がいいって 園でもビックリされてるらしいわ。
だって~先生志望の二人に教育されたんだから~ね~」
恵美がしっかりしてきてからは
千夏が怖がってあまり恵美とは会ってない。
「こんたのこと絶対内緒だからね。」
「わかってるって~」
恵美は 俺と会う時に 千夏に何度もいい聞かされて
最近は少しムッとする様子だった。
「こんたに会いたがってたから
今度また連れてくるわ。
もしなんかの拍子にママに言ったら…って思うと怖いんだよね。」
「そうだな……。
恵美には会いたいけど…もう何十回も内緒だって言われたら
さすがにムッとしてるもんな~」
「最近ね~けっこうな反抗期なんだ。
家でも手をやいてるわ。」
「そっか~恵美はきっと千夏にソックリに成長するんだろうな~」
愛しい唇に甘いキスをした。
「こんたにも弟がいたら 絶対めぐの彼氏にしてあげるのに~
きっとね…ここだけの話
めぐの初恋の相手は こんた なのよ。
だって…うふふ…反抗は私にひどいから……
それもこんたに会わせろって~~~」
「マジ?」
「姉妹して同じ男の人を好きになったら修羅場でしょ~~
めぐがまだ 子供でよかったわ~~」
千夏はそう言ってケラケラ笑った。
そんな千夏を俺は抱きしめる……。
「一生 離さない……。」そう囁きながら………。