負けない気持ち 七話
俺は髪の毛を坊主刈りにした。
学校では驚いていたけど 残念なことにぼうずでも
悪い顔がさらに迫力を増して悪人顔に見えた。
鏡を見ながら
習慣はそう簡単には変われないんだなと笑ってしまった。
俺はあの日の千夏との約束から こんなに勉強したことないくらいに勉強した。
担任がサポートしてくれてわからないところを
徹底的に付き合ってくれた。
「先生…俺外人の友達いねーのに何で英語勉強するんだ?」
「いつか友達ができる時のためさ」先生はそう言って笑う。
少しづつ変わって行く俺に 悪い仲間たちが(俺は仲間とは思ってないけど)
「今さら 何やってんだか…」バカにしながら噂していた。
俺の人生は今 千夏だけのものだから
千夏を幻滅させないように頑張ってるんだ。
「おまえさ やっぱり思った通りだな。」
「何が?」
「飲み込み早いわ。勉強しっかりやったら
もっと上の学校目指せたのにな~これからでも遅くないから
将来のために彼女のために 勉強頑張れよ。」
先生の言葉がうれしかった。
認められれば 千夏の親にもいつかきっと会いに行ける。
「英語ってさ~けっこう面白いんだね。」
「面白いだろう~発想と転換だな~何事もさ~」
今頃千夏も頑張ってんだろうな
そう思いながら 千夏を想った。
会えない時間は俺らをきっと深く結ばせてくれる
俺はそう信じていた。
千夏と会ったらすぐに抱きしめてキスをたくさんしよう……。
俺はその楽しみを胸に
机に向かって 必死に勉強する。
千夏との将来に向かって 俺自身も変わり始めていた。