負けない気持ち 五話
千夏とは別々にされた。
警官に
「友達だけど…巻き込まれただけだから問題ないっすよね?」と聞いた。
「めちゃめちゃ秀才でそんなことに
巻き込まれるような子じゃないからな……。
大丈夫だよ、被害者って感じだな。」
「よかった…」
「おまえのとこは父親来ないって言うから
担任の先生に連絡したぞ。」
「親父来ないって言ったんだ……。」
「刑務所でも入れてくれってさ・・・
なんて親だ……。虐待歴あるんだな」
「あ・・・はい・・・」
「家庭環境に負けたらダメだぞ。
彼女なんだろ?なおさらだ。
いまのままなら付き合いも
彼女の両親から反対されるからな……」
一気二暗くなった・・・・・。
確かに…親にばれてしまったら きっとこんな
危ないことに娘が巻き込まれて
心配するだろう……
でも俺が真面目に千夏を愛してること
ちゃんと伝えたらきっとわかってくれる
そう信じていた。
「千夏!!!」女の人の叫び声
「けがはないの?あ・・・ちょっと・・・
その顔いったい……ちょっと……」
たぶん母親が半狂乱になっている。
「大丈夫よ。ちょっと巻き込まれただけ
心配しないで。」
「警察に来るなんてよっぽどのことでしょ……」
母親は大騒ぎしている。
「今 説明しますから座って下さい。」
警官が厳しい口調でそう言うと
やっと母親の声がしなくなった。
急にこれから先のことが不安になった。
俺たちこのまま一緒にいられるよな?
母親の動揺した様子を感じて…こんな俺との付き合いを
認めてはもらえないだろうと予感していた。
「そんな不良といつ友達になったの!?
うちの学校にはそんな人いないでしょ?」
また大声で叫んでる。
「おまえがかわらんと…みんなはおまえのこと
誤解したままになるぞ。
彼女ができたんなら…相手の親にも認めてもらわんと
許してもらえないぞ…」
担任がやってきた。
「彼女のおかあさん
えらい剣幕だぞ・・・・。
あれは彼女も帰ったら 怒られるだろうな……」
俺は一気に落ちこんだ……。
千夏を失いたくない・・・
親に反対されたって何したって
俺は千夏と一緒に生きたいんだ
そう思うと今までのおこないが急に情けなく思えた。
俺らこれから…どうなっていくんだろう…