負けない気持ち 三話
勢いよくそいつが転倒した。
振り返ると相手は四人 この間いきなり俺に殴りかかろうとしてきた高校生だった。
「こらぁテメーなめた真似しやがって!!!」
四人が一斉に襲いかかってきた。
いつものことだ 多少のリスクは慣れているけど
俺は千夏が逃げたことを確認して そいつらの挑発を受けた。
足元に転がっていた奴が俺の足を掴んで俺を雪の上に転ばせて
その上に数人で襲いかかってきた。
「こらぁガキのくせにちょーしこいてんじゃねーよ。」
「う…」まともに頬に一発受けた。
千夏も逃げ切った頃だなとしばらく大人しくしていたが
その間に受けた暴力が俺の力のバロメーターになっている。
「オラ!!溝端!!」容赦なく腹に蹴りがはいった瞬間 俺は
相手の足をつかみ一人を雪に転がして
他の奴らの一瞬の隙を見て殴りかかった。
しばらくして俺は背筋が凍った。
一人足りない!?
「テメーら!!!」俺の怒りは頂点まで達した。
「気づくのおせーよ」 うずくまってそう言ったやつの顔を蹴りあげて
俺はフラフラしながら 千夏を探しに走り出した。
「ちくしょー千夏になんかしやがったら ぶっ殺す!!」
しばらく走っていたら
高校生が数人の大人に取り押さえられていた。
なっち……!!!
俺はその輪に入りこみ 女性に抱きかかえられいる千夏を見つけて抱きしめた。
「なっち!!大丈夫か!?」
「うん……つかまってひきずられたから思いっきり男の急所に
蹴りいれてやったら…殴られた…それだけ…
そんでデカイ声で助け求めたら…みなさんが…来てくれたの…」
千夏の口から血が流れてて
ハンカチでそれをおさえていた。
「ごめん・・・ごめんな・・・」
「大丈夫よ…それより…こんた…顔…血だらけ……」
「俺は慣れてっから……ごめんな……」
後からザワザワと声がした。
通行人が警察を呼んだらしくて俺の後からも声がした。
「きみ 話しきかけてもらえるかな?」
やば・・・
とうとう警察の世話になることになった。