愛の形 五話
小説本文 「どうして私を……?
私のこと憎らしかったんでしょ?
どうして…?私を受け入れたの?」
「憎らしくなんかないさ。
恵美は 千夏の妹で……俺と千夏のキューピットだし…
三人の思い出がたくさんあるんだよ。」
「だけど・・・憎んだでしょ?」
「ごめん・・・余計なこと言った…。
誤解しないで…。恵美は俺らの天使だった…。
辛いことがたくさんあって…だけど恵美の笑顔に
救われてきたから……。」
「ごめんなさい…。
愛されたいなんて…調子のいいこと言って
そんな資格なんてないのに……。」
「恵美……。」
私は辛くて…情けなくて
彼の車を降りた……。
何か彼が言いかけたけど…彼はその言葉を飲みこんで車を発車させた。
終わっちゃった……。
心がポッカリ空いた……。
まさか二人を永遠に引き裂いたのが自分だったなんて……
こんた に恋する資格なんかない
涙も出し過ぎて枯れてしまった。
「でも・・…好きなの・・・・・・。」
彼に抱きしめられたお湯の中………。
「忘れられるのかな私……」
雪が落ちてきた。
あ…雪だ……初雪………
雪の白さで…どうか…どうか…
私の罪を……隠して下さい……。
そして私の罪をキレイな白い色で…
埋めてください……。
そしたら・・・また彼に愛してもらえますか?
足取り重く やっと家にたどり着いた。
玄関のドアを開けようとしたら ママが出てきた。
「ただいま…」
「ただいまって…こんな時間までどこにいたの?」
「友達のとこ…。」
「自分の行動に責任を持ちなさいね
母がそういってリビングに消えて行く……。
おねえちゃんの彼氏に恋をしてる
そう言ったら
ママ・・・どんな顔するんだろう……。
そのままベットに突っ伏した。
そしたら…また…枯れたはずの涙が溢れだしてきた。