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激愛  作者: Lavia
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扉 十話

彼のリビングは朝出かけたままになってて なんだか

人間らしくてホッとした。


制服も下着も全部脱いで 彼がうたた寝用に使ったのか

小さな毛布にくるまってガタガタ震えていた。


ずっと寝不足が続いていたから

私はそのまま眠ってしまった。



夢の中まで私は最悪だった。悲しい夢ばかり見ている。

彼は出てこないのに…お金を落としたとか 遅刻して置いて行かれるとか

そんな腹の立つ夢ばっかで…夢の中で

そんなんなら寝なきゃよかったって後悔してる…。



楽しい夢をみだしたのは体がポカポカしてきてからだった。

誰かと追いかけごっこをしてる……

高い高~いとダッコをしてくれてる……

泣かないでってキスをした…それが誰なのか見えて来た時

目が覚めた・・・・・。




「ん・・・・」薄暗い部屋に赤い光が見えて私は起き上がった。




  ストーブ……


ストーブが真っ赤に燃えている。


  あれ…?私……



スーツの上着を脱いでいる彼の後ろ姿を見つけた。



すぐにでも抱きつきたい衝動をグッとこらえて

私は毛布をしっかり巻き付けた。




ネクタイをほどきながら彼がふり向いて

「起きたか?」と言った。



私は彼に背を向けて寝転がった。



「困った奴だな……」彼は少し笑いながら近づいてきて 抱きあげた。




「キャ…」私は足をバタバタさせて抵抗する。



「こんなに冷えて……風邪ひくぞ・・・。

ストーブつけて熱いシャワーしたらよかったのに…」



そう言いながら彼は私を風呂場に連れて言った。



「え…?」いきなり毛布をはぎとって私は全裸だったから

恥ずかしくて死にそうだった。




そのまま湯船にバシャーンと彼と一緒につかった。



熱いお湯の中で一度身震いをしたら毛孔が一斉に開いた気がした。



私は彼に後から抱かれて湯船の中……

突然のことで……心臓がドキドキしてる。




「今日は寒かったから……風邪ひくなよ」



優しい声に泣けてきた……。



「う…うっ…」顔を覆って私は大泣きした。



彼の優しい声をずっと聞きたかった……。

こうして抱かれているのが私にとっての幸せなんだもん……。




「泣き虫だな…。俺のことで泣いてばっかだよな…。

不幸にしてるんだよな……。

もう…やめようか……。」




私は首を必死に振った。




「やだ…やだ…やだ~~」


体の向きを変えて彼の胸に飛び込んだ。



「愛してる……愛してるの……」


彼の逞しい体と お湯の温かさが 心も体も包み込んでくれた。

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