扉 七話
志摩ちゃんの手伝いもあって うまく玄関を突破。
教室に入ると一斉にみんなの目が飛んできた。
「めぐ?」女子が数人とんできて私をっこん徐。
「誰かと思ったよ~」
「ちょっとイメチェンしてみたの。」
「ちょっとじゃないよ~すごい誰か一瞬わかんなかった~」
みんなの視線が気持ちいい。
「よく玄関でつかまらなかったね。」
「志摩ちゃんが隠して走ってくれたの~」
普段あまり接触のなかった男子まで寄って来た。
人に注目されることなんて今までなかったよ。
おねえちゃんはいつも輪の中心にいたっていうけど
こんな気分だったんだろうな……。
「問題はゴリラだね~きっと……」
「いいんだ~ちょっと今日はやりすぎだったから
明日はもう少しおとなしくしてくる。
仕方がないから怒られてくるよ~」
みんなが注目しているゴリラがチャイムとともに入ってきて
すぐに私に目がとまった。
「おい…おい…頼むよ小山内…」
「すみません!!!やりすぎでした。」
私が大きな声でそう叫ぶとクラス中が大爆笑になった。
「反省してるのか?」
「はい~」
「わかったけれどもとりあえず職員室に行って
ちゃんと話してこい。
今は、指導部は山岸先生がいたはずだ。」
こんたは…?
でも半分よかったと 半分ガッカリと……。
「わかりました。」
「それにしても変るもんだな~感心したよ。
女は化け物だな~」
ゴリラの言葉にまた大爆笑した。
「それは休みの日にしろよ。」
「はい~」
怒られてるのになぜか楽しい……自分が生まれ変わったような気がした。