不安 九話
お天気のように彼は 暖かいお日様だったり
曇ってたり そして……冷たい雨だったり
今日は熱いくらいのお日様の彼で ホッとして
そんな時は うっぷんだらけの想いをぶつける。
「お酒飲んだの?」
「うん…臭いかな?」
「うん…臭いよ…」彼がわざとに息を吐きかける。
逃げるように体をよじると彼につかまって…
それが楽しかったりして……
「大人になるとお酒があるからうらやましいな~」
「別に俺は 酒に逃げてるわけじゃないよ。
いろいろあんだよ~おつきあいが……」
私は彼の首に腕を巻き付けた。
「スナックの女の人にイチャイチャした?」
「うん…それはするさ~」
「デュエットしたり踊ったりするんでしょ?」
「するよ~だってそのためにいるんだから…」
私は彼の耳たぶを 噛んだ。
「痛い…」
彼が逃げようとしたからつかまえて今度は耳たぶにキスをした。
「くすぐったいな~」
「うそでいいんだから してないって言って。」
また泣きそうになった。
「恵美って…泣き虫なんだな。」
「こんたが意地悪だからよ……。」
「外の俺はしばらないでね……。
その代わり俺も恵美をしばらないから…
そういう約束だよね?」
彼の顔が曇ってきて 私は慌てる。
「冗談だよ~」私は 彼の胸に顔を埋めた。
しばらく沈黙が続いていたけど
彼は私の髪の毛を撫ぜてくれた。
よかった…怒ってない…よね……。
「起きるかな~」そう言って彼が体を動かそうとしたから
「まだ…もう少し……」
私はそう言って彼をベットに押し倒した。
安心感と彼のそばにいたいという願望と……
それから早起きした眠気が心地よく私を眠りに誘う……。