甘い時 九話
それからなぜか 彼からの誘いが増えて
私たちは頻繁に会って 甘い時を過ごした。
キスから先には 進んでないけど
私は はしたなくても早く彼のものになりたいと心が叫んでいた。
キスだけじゃ物足りない私がいる。
「これ・・・?」
彼が私の手に握らしたのは 部屋のカギだった。
「いいの?」
「これからはさ 自由に来ていいよ。」
彼の言葉が信じられなかった。
「ほんとに?」
彼が優しく微笑んで
「ほんとだよ。」と言ってキスしてくれた。
「キャ~~!!!」私は嬉しくて彼に抱きついた。
「そのかわり慎重に来るんだよ。」
「はい!!!」
「ここに来る公共機関教えないとな。」
彼はパソコンの前に座って
私を自分の膝の上に座らせた。
「………こうして…わかるか?
バスはそんなに本数がないから…帰りもし
俺が送っていけない時は気をつけ……」
私はもう夢心地だった。
「こら…聞いてるのか?」
「あ…だって……嬉しくて…夢みたいで……
ほんとにありがとう……」
嬉しいのに 涙が出てきた。
「恵美?泣いてんのか?」
「だって…だって…幸せなんだもん。
私…自分にずっと自信がもてなかったから…
みんなおねえちゃんのことばっかりで……
誰も私のことなんて見てくれなかったから……
おねえちゃんを知らない人に愛してもらって…すごく嬉しい……」
私はそのまま彼に抱きついて 泣いた。
誰かに認めてほしくて……
愛してほしかった……
それが今 一番愛してる人に愛されて……
私の幸せは絶頂だった。
しばらく泣いて…顔を上げたら
彼の顔が少し曇っていた。
卑屈で重いって思われたかな…
少し心配になった。
「落ち着いたか?」次に私が見た顔は いつもの優しい顔だった。
私はホッとして……
自分からキスを求めた。
甘いキス……幸せな距離感…愛されてるって安心感
全てが私を包み込む……
「こんた…愛してる…」唇が離れるたびに私はそう言ってまた
キスを求めた。
甘いキスは激しいキスに変わり…とうとう私から禁断の言葉をはいてしまった。
「恵美をぜんぶ…こんたの…ものになりたい……」
魔法が言わす?ううん…力一杯 彼を求めている。