甘い時 五話
彼の車を待っていた。
どっちから来るのかな…
向かいの道路にバイクが一台止って
バイクをふかした。
ナンパ?
そう思ってると おいでと手を招いてる。
私?
目をそらして 私は彼の車を待った。
携帯が鳴って 私は慌てて電話に出る。
「何 無視してんだよ。」
「え?」私が慌ててバイクを見るとバイクの人も携帯で話をしてる。
「早くおいでよ。俺 今日バイクだからさ~」
私は慌てて横断歩道の青を待たずに 彼のいる場所に駆け寄った。
「信号無視したらダメだぞ。」
まるで学校の先生に戻ってる。
「ごめんなさい。」
黒いヘルメットをかぶせてくれた。
「バイク初めてだ~~」私は会えた感動でテンションあがりまくり~
「ちゃんとつかまっとけよ。」
私は彼の締まった腰に手をまわした。
「行くぞ。」
風をダイレクトに受けるバイク
夏を感じさせる風は優しい。
私はこの時とばかりに
彼の体にしがみついた。
「こんた…大好き…大好き!!!」
大声で叫んでも 街の音が消してしまう。
おねえちゃんも こうして叫んだのかな……。
会えない時間は私に 愛を募らせる。
学校で無視されているうっぷんや一カ月も放置されてた恨みや
全部の愛を 彼にうけとめてもらおう。
バイクは走る。
私を甘い空間に誘うために……
顔を彼の背中に押し付けた。
こんなに積極的な私で・・・引かれちゃわないかな……。
でも心の中でふくれあがった
彼への想いが 激愛になって溢れだしてくる。
彼の前では 素直になりたい……
早く…早く 抱きしめてキスしてほしい……。