甘い時 二話
両親は 自営業のために 二人一緒に忙しい。
マリさんから聞いた話だと
小さい頃は 学校帰りのおねえちゃんが たまに私の面倒を見てたと言ってた。
だからどうしようもない時は
私を連れて行動してたらしい……。
「めぐちゃんは小さくて愛らしくて
手のかからない子だったから…みんなに可愛がられていたわよ。」
「それが現実夢かわからないんだけど
おねえちゃんの恋人に会った気がするんです。
高く空に向かって抱きあげてもらったのと
雪の中でその人が泣いてる
その二つだけなんです……。」
「きっとそれが彼だと思うわ。」
「そうですか……。やっぱり……。」
おねえちゃんのこんたに会ってみたい……。
「どんな人だったんだろ。」
「千夏が言うには すごく素敵な子だってのろけてた。
本当は勉強ができる子だったけど
学校に行かせてもらいなかったみたい……。
両親から虐待されてたって…
いろいろ問題はあったけど…そんなこと関係ない。
好きになったんだもん…って胸を張ってそう言ってたわ。
うらやましかったな~
千夏は 輝いてたもん~」
千夏は輝いてた……
それだけおねえちゃんの恋は 素敵な恋だったんだ。
私も素敵な恋をしてる……
おねえちゃんに負けないくらいの恋をしよう……
だから彼との秘密を守るために しっかりとしなくちゃ……。
その後 また彼の姿を見かけたけど 次は視線も合わせなかった。
近くを通り過ぎる時は 心を落ち着けて
隣の友達とドラマの話で盛り上がった。
外に出たら 私は生徒・・・・・。
生徒でいるためには どう行動するべきか…しっかり考えないといけない。
おねえちゃんの恋みたいに 邪魔されないように……
私は絶対にこの恋をあきらめない……。
禁断の恋の心構えを 自分に言い聞かせた。