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激愛  作者: Lavia
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告白 九話

「おねえちゃん……可哀そう…」



マリさんが帰って私は 笑顔のおねえちゃんを見つめた。

想像はしてたけど……まさかこんなに悲劇的だったのか…と…。




自慢の娘の恋人が 家庭に問題があって ヤンキーだったのが 

許せなかった両親と

それでも必死に二人は一緒にいたいと戦ってきた。


中学生のおねえちゃんが 塾に行きたくないって

公園でさぼってたとき こんたと出会って恋に落ちた。



荒れ狂ってたこんたは たくさんの噂を持っていて

みんなが恐れていたけど

おねえちゃんだけは そんなこんたを理解して

こんたもおねえちゃんを信頼していた。


二人の恋を両親が知ってからは それを壊そうとする両親の圧力に

おねえちゃんは悩んでいたんだとか……



燃えあがる二人の愛はどんな障害にも 負けなかった。



卒業式の次の日 マリさんに会いに来たおねえちゃんが 言った言葉


「こんたについていきたい…」

その時のおねえちゃんは 幸せそうで

絶対に結ばれてほしいって思ったと……。



でもその夢は無残に打ち砕かれた。



待ち合わせ場所で 恋人を待ってたおねえちゃんに

信号を無視してハンドル操作を誤った車が

つっこんできて…おねえちゃんをひいてしまった。




おねえちゃんは即死

遺体の横には 夢と希望がいっぱいつまった ボストンバックが転がっていた。




「顔はね…みたことがなかったけど姿は何度か見かけたの。

お葬式の日だった…すごい雪でね…会場の外で雪だらけの背の高い人が立ってた。

みんなで あれがこんたじゃない?と噂してたんだよね。

なんかすごく可哀そうだった。

ご両親は こんたに殺されたと 千夏の死を嘆いてらしたわ。」




「こんたのせいじゃないのに……」




「千夏は理想を全部持って生まれた 太陽みたいな子だった。

明るくて 元気で 楽しくて みんな千夏が大好きで……

頭もいいし スポーツもできて……

ご両親も自慢だったと思うの。

卒業後は教育大の進学も決まってて…小さい頃からの夢の

教育者を目指してたから…それも…こんたと出会ってから…

いろいろあったんだけどね…」




「おねえちゃんもいろいろあったんですね…」




「こんたと千夏は 最高のカップルだったんだよ。

大人は嫌がると思う こんたがめっちゃヤンキーで…暴れてて

そんな子と付き合うのを喜ぶ親はいないでしょ……」




「こんたはそれから?」




「わかんない……。街を出たと思うよ……。

それからこんたの噂は全く聞かないから……

この話をしたの 内緒にしてね……。」



「わかってます。

ありがとうございます。またお話聞かせてくれますか?」



マリさんとアドレスの交換をした。



「おねえちゃんの会いたかった人…探して会わせてあげたいな…」



私は遺影に手を合わせた。

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