告白 八話
マリさんが
「今近くまで来てるので お参りさせてもらえる?」
と言ったので
ちょうど両親もまだ帰って来ないし
ちょうどいいと思った。
「お待ちしています。」
そう言って電話を切った。
「おねえちゃん お友達が来るって~
よかったね・・・・。」
しばらくしてマリさんがやってきた。
ドアを開けた瞬間 「千夏!?」 と声をあげた。
「妹です…。そんなに似てますか?」
「ごめんなさい!!千夏だったら大変なのに…
うん…とてもよく似てるわ。
ビックリした~」そう言ってケラケラ笑った。
大きな花束とお菓子を
仏壇の前に供えながら
「千夏…ごめんね…。ずっと顔出せなくて…。
何年ぶりだろう…千夏は変わらないけど 私は変わったでしょ?」
そう言ってお線香をあげて しばらく無言で手を合わせていた。
「お茶…入りましたよ。」
私はマリさんをソファーに案内した。
「突然 ごめんなさいね…。違う日とも思ったんだけど
私も仕事をするからちょっと忙しくなっちゃうし
もう思い切って来てしまったの。
おじさまとおばさまはお元気?」
「もうすぐ帰ると思います。」
「なんかこうしてると千夏と一緒にいるみたい。
ごめんね…気を悪くしたら許してね。
でも ほんとに似てるの……。
なんか泣けてくるわ……。」
マリさんはハンカチで涙を拭いた。
「おねえちゃんとはいつの頃から?」
「高校生になって一番最初にできた友達なの。
ずっと仲良しだったの。」
知ってるよね……。
「それじゃあ おねえちゃんの恋人って知ってますか?」
マリさんは一瞬困った顔をした。
「きっとその話はタブー何だと思うわ。
おじさまやおばさまが 嫌がるから……。」
「以前聞いた時は そんな感じでした。」
「そうでしょう……。
千夏の事故は 彼氏がかかわってたから……。」
「マリさんは会ったことあるんですか?」
「会ったことはないんだけど 話はたくさん聞いたよ。」
「こんたって人ですよね。」
マリさんは驚いた顔をした。
「なんで知ってんの?」
「彼氏の手紙があったから……」
「私も直接あったことはないんだけど……
学校とかも一緒じゃなくてね…二人は中学生の時に
出会ったらしくて…すごく愛し合ってるって感じで
うらやましかったよ。」
「事故にかかわってるって…?」
「恵美ちゃんはどうしてそんなこと知りたいの?」
「おねえちゃんのことあまり覚えてなくて…
知りたいんです。
そんなにそっくりなんだったら…なおのこと……」
「わかったけど…ご両親には言わないでね…」
「ありがとうございます~~」
おねえちゃんとこんたのこと……
知りたかった………。
マリさんに会えたのも 何かの縁……
私はマリさんの話に引き込まれていった。