繋がれる手 七話
「夢を見てるみたい……」
私は目を閉じた。
「これからはこの夢を見なさい……。」
陽之介は私の洋服を一枚一枚脱がしていった。
全裸になった私が月明かりに照らされて
私は慌てて手で体を隠した。
「やだ…恥ずかしい……
痩せっぽっちでしょ……」
「美味しいもの食べたら
すぐ前のようにプクプクするから~」
そう言って静かに私の手をおろした。
「キレイだよ・・・・。」
「ありがとう・・・・。
今日の私のこと忘れないでね。
一緒に暮らしてだらしなくてきたなくなって
それでも今日の私を覚えていてね。」
「どんな恵美だって忘れないよ。
これから見る新しい恵美が楽しみだよ。」
陽之介の冷たい唇が
私の熱い唇に合わさった。
「恵美・・・恵美・・・
あいしてる…あいしてる…」
陽之介はそう言って私を愛してくれた。
私は何度も何度も
陽之介の名前を呼んで
陽之介はそのたびに返事をしてくれた。
快感の中を探る手を
陽之介がしっかりと握ってくれて
「一緒に…行こう…」と言った。
私と陽之介は一つになった。
あの頃の悲しい行為とは違う
恵美という私を愛してくれている
そんな確信ができる行為だった。
私が目を開けた時
陽之介の顔が見えた。
「素敵だったよ……。」
恥ずかしくて目をそらした。
「こら・・・どうして目をそらす?」
「だって恥ずかしいんだもん……」
「しばらくまた抱けないから……今夜と明日は寝かさないぞ~~」
陽之介はそう言って
「あはは~~」と笑った。
私は
「期待してるよ。」と言った。
「ありがとう・・・
親に・・・大変だったでしょう・・・」
「いいや…。恵美のこと愛してるんだよ。
それがよくわかった
ご両親の宝物だから俺は大切に扱うよ。」
「友達まで呼んでくれて・・・・」
「今頃 みんなはホテルで楽しんでるよ。
ご両親がプレゼントしてみんな一泊してるよ。」
「ホントに?」
「初音さんは娘さんご夫婦と孫さんと
楽しんでいるし~」
「素敵だわ~」
私は陽之介の胸に顔を埋めた。
「早く元気になれよ。
すぐにでも迎えにくるからさ。
ちゃんとご両親の言う事聞いて 初音さんから
料理も習っておいてよ、」
「はいはい~」
二日間の素敵な時間は甘く濃厚に過ぎていった。
愛を囁き合い 確かめ合い
陽之介の胸の中で眠り 目覚める・・・・・。
今週末…出発を控えている陽之介との
しばしの別れの時間が寂しくないように
二人でその時間分を共有し合った。