繋がれる手 四話
陽之介の戻る日がせまってきていた。
自分で望んだことだったけど
やっぱりさびしかった。
病室の中に 陽之介が溶け込んでいたから
複雑だったけど
私は必死にこらえた。
「メールをしよう。必ず夜と朝はチェックするから…」
そういうと私の病室に小さなPCを持ち込んだ。
設定をしている後姿に
涙が出そうになってこらえた。
笑って送ってやろう
それが私の目標だから・・・・・
「小山内さん」主治医が入って来た。
「おはようございます。」
「溝端さんからお話があった外泊の件ですが
いいですよ。最近ずいぶん頑張ってるから。
二日間くらいなら大丈夫ですよ。
薬はしっかり飲んでくださいね。」
私は訳がわからなくて
驚いていた。
「ありがとうございます。」
陽之介は子供のようにはしゃいだ。
先生はそう言うと病室から出ていった。
「どういう事?」
「外泊~~外泊~~~」
陽之介が私を抱きしめた。
胸がキュンとしてドキドキした。
「や~!!なんかエッチなんだから……」
でも…私は自分の体が急に心配になった。
「あ…でも自信ない……こんなに痩せちゃって……。」
「恵美はエッチだな……。
そればっかじゃないよ……ってか…それがメインかも……」
陽之介が肩を揺らして笑った。
私もドキドキして頬をおさえた。
「楽しみにしてろ~~」陽之介が頬にキスした。
次の日 朝一で私は レンタカーで迎えにきた
陽之介とドライブに出かけた。
車の中からいろんな風景を見ていたら
本当に華やいだ。
愛する人とみる風景は何に勝るものではない。
それから山のそばにたった大きなホテルの横にある
コテージに向かう。
「うわ…すごい……。」
「夕食は向こうでたべるんだよ。」
「本当?なんて素敵なんだろう…。」
コテージに入ると
すぐベットに入れられた。
「疲れてないもん…時間がもったいない…」
私が体を起こそうとすると
「あとがあるんだから…
少し休みなさい……。」
陽之介の手が私の目を優しく閉じさせて
甘い甘いキスをした。
やっぱりつかれていた私はそのまま少し眠ってしまった。
夢・・・・
おねえちゃんが笑ってる……
進も出てきた……
陽之介も出てきてみんなが笑った……
幸せな夢を見て
私はゆっくり目を開けた。
「おじょうさま~お目覚めですか?」
私を覗き込む初音さんに驚いて飛び起きた。