繋がれる手 三話
「同情しないでって言ったよね。
足手まといになるの嫌だって言ったよね。
陽之介の人生の重荷になりたくない……。」
わざとに冷たく言った。
陽之介は泣きそうな顔をした。
「恵美……。
そういうことじゃないんだ……。
離れたくないんだ……。」
ママに叱られている子供のような顔
「私だって・・・・・。
でもそんな途中はんぱでいいの?
もう怖いことないよ…。
心は繋がってるんだから……私たちはいつも一緒だよ。
だから…陽之介のやりたいことをして……。」
陽之介は下を向いていた。
「恵美がいないところに俺の居場所なんかない。」
「子供みたいなこと言わないで。
そういうとこ嫌いよ…。」
益々困った顔の陽之介が めっちゃ可愛かった。
「気が済むまで やってきて。
もしかしてその頃私の体調もよくなって
向こうにいって暮らせる自信がついたなら…
迎えに来て……。
それまで…私は私のできることをしながら
陽之介が迎えに来るのを待ってるから……。」
「本当?
ちゃんと待ってくれてるか?
嘘ついていなくなったりしないか?」
「いなくなんかならないよ。
私は…ずっとずっとこの日を待ってたんだもん……。
ちゃんとガンバるから……。
陽之介もケガしたり危なことしないでね……。
私が待ってるっていっつも思っていてね…。」
「ありがと・・・・。
恵美は俺よりずっと年下なのに……
いつも俺を支えてくれるんだな……。
俺は何かしてあげてるんだろうか……?」
私は陽之介の唇に触れた。
「あなたの存在が私の全てです……。」
「愛してる……」
陽之介の冷たい唇が同じ熱さになるには
時間がかからなかった。
熱い甘いキス・・・・
二人の決意の口づけだった。